カッレ・ロヴァンペラは2週間後のラリー・フィンランドに向けて先週末にロヴァニエミで開催されたアークティック・ラップランド・ラリーにトヨタGRヤリスRally1で参戦したが、彼は最初のステージでコースを外れてしまうという劇的なスタートとなった。しかし、それは彼のミスではなく、コース立っていた観客を避けるためにわざとハンドルを切ってコースオフしなければならなかったのだ。
「スノーバンクに観客が立っていたんだ。ストレートから見て、最初はその観客は土手の上にいるのだと思ったが、コーナーに到着したとき、その観客はバンクにもたれかかって、実際にコース上にいることがはっきりした。僕はハンドルを切らなければならず、そのままコースアウトしたんだ」とロヴァンペラは劇的な瞬間を語った。
「安全について考えてほしい!もしラリーカーが向かってくるのが見えたら、バンクを飛び越えてコースから外れてほしい。それなのに彼はずっと僕たちを見ていたんだ。彼が何を考えていたのかはわからない」
ロヴァンペラは安全な観戦をするように強い調子で警告を発した。
「観客にとっても危険極まりない状況だった。通常のレーシングラインなら、バンパーがスノーバンクに接触し、僕たちはその人に直接ぶつかっていただろうし、足にひどい怪我をしただろう。幸運にも、なんとかハンドルを切ることができ、何事も起こらなかった。本当に運が良かった」
ロヴァンペラはこのコースオフで初日、フィンランド選手権のトップランナーから25秒遅れとなったが、もちろん最終日にはあっという間に逆転してトップに立つことになった。それでも最終ステージでペースを落としたため、18歳の新鋭トゥッカ・カウッピネン(トヨタGRヤリスRally2)が総合優勝を譲り、ロヴァンペラは11秒差の2位でフィニッシュすることになった。
とはいえ、ロヴァンペラはカウッピネンに総合優勝を譲ったわけでなさそうだ。大雪が降った最終ステージでは、フィンランド・ラリー選手権ではWRCのためのハンコックよりもっと長いスタッドのタイヤを履いていたためパフォーマンスにも差がでたようだ。さらにロヴァンペラは雪が深い路面におけるグリップはかなり問題があることを指摘した。
「すべて順調だ。価値ある週末だったからね。でも、最後のステージが雪だらけだったのは残念だよ。このタイヤでは、できることはあまりなかったんだ。信じられないほどゆっくり走らなければならず、それでも大きな瞬間があった。このスタッドではまるで夏用タイヤで運転しているような感覚だったからね」
ロヴァンペラにとって、アークティックへの参戦は世界ラリー選手権の新しいタイヤサプライヤーであるハンコックの新しいスノータイヤをテストするが最大の目的だった。彼はさらなるセットアップの必要があると認めている。
「かなりいろいろなコンディションがあって、いろいろなことをテストできた。いいイベントになったよ」とロバンペラはコメントした。
「全体的に言っても以前のタイヤと比べて本当に大きな違いがある。どのコンディションで苦戦するかは明らかだ。とくに緩んだ雪に対してより敏感だ。この差は非常に大きく、マシンのパフォーマンスを向上させるために多くの作業を行う必要がある」