WRC2024/02/27

ヒョンデ、今季は公式チームでWRC2参戦を行わず

(c)Hyundai

 ヒョンデのカスタマー・レーシング・マネージャーに就任したばかりのブノワ・ノジェは、ヒョンデ・モータースポーツが今年、WRC2にオフィシャルチームを参戦させることなく、カスタマーチームをサポートする戦い方に集中する方針であることを認めた。

 ヒョンデは、昨年まで公式チームとして、ヒョンデ・モータースポーツNによるWRC2参戦を行ってきた。ヒョンデのWRC2公式プログラムは、それまでのRedGreyチームによる運営から、2023年には新たに2Cコンペティションが担当、今季はCHLスポールオートが運営することになり、ラリー・スウェーデンではエミル・リンドホルムを走らせており、ラリー・デ・ポルトガルからはテーム・スニネンがチームからの初戦を迎える予定だ。

 しかし、ノジエによれば、ヒョンデは今年、WRC2にオフィシャルチームとして参戦するわけでなく、CHLスポールオートへのサポートを行い、そのほかの国内選手権などでもヒョンデのカスタマーがタイトルを獲得できるようサポートを行うつもりだという。

「今年のWRC2カテゴリーでの公式な計画はない。予算を管理し、新たな目標を設定する必要があるため、この決定を下した」とヒョンデのカスタマー・レーシング・マネージャーのノジエは語っている。

「現時点では、国内選手権に集中するのがベストだと考えており、ヒョンデは一歩引いたところから、マシンの開発とナショナルシリーズの制覇に集中することにした。昨年よりもライバルが増えたことは確かだが、WRC2カテゴリーに大きなオフィシャルチームが存在しないためにトップ争いは可能なことだ」

 たとえばフランス選手権では、ヒョンデ・フランスがエリック・カミリーとヒューゴ・マーガイヤンの2台体制でタイトル争いに挑もうとしている。二人はともに昨年までのシトロエンからヒョンデにスイッチ、WRC2と同様にCHLスポールオートが運営を行っている。ベルギー選手権では、セドリック・シェランがシーズン初戦を制し、ポルトガル選手権にはチーム・ヒョンデ・ポルトガルからクリス・ミークがタイトル争いに挑む予定だ。

「(i20 N Rally2について)我々は4月1日にかなり大きな進化をホモロゲーションする予定だ」とノジエは語った。「最大のものはエンジンの進化で、パワーとエンジンの効率、トルクを大幅に改善する予定だ」

「それが最初のステップだ。我々は信頼性にも取り組んでいる。例えば、昨年のフィンランドではエミル(・リンドホルム)に(サスペンションの)問題があった。これは4月1日の予定だが、ホモロゲーションのためにまだFIAと調整する必要がある」

 WRCは来季からハイブリッドRally1カーを中止して、来季からRally2カーをベースとした新しいトップカテゴリーに移行する可能性もあると言われており、ヒョンデのRally2のホモロゲーションについては、次世代のテクニカルレギュレーションに関する決定を行うとされる2月の末のワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)を待ってからより具体的に動き出すものと見られている。