WRC2022/08/03

ピレリ、高速フィンランドはソフトがメインタイヤ

(c)Pirelli

 ピレリは、今週末に行われるラリー・フィンランドではグラベルタイヤのスコーピオンKX WRCソフトコンパウンドSAタイヤをメインタイヤとしてファーストノミネートした。

 超高速のラリー・フィンランドは今年、伝統的な夏開催に戻り、4日間の日程で行われるが、新しい要素も盛り沢山となっている。計22ステージ、全長322.61kmのうち約30kmが新設され、ラリールートの半分が昨年から完全改訂された。

 これらの変更は、大きな挑戦にさらに未知の要素を追加する。タイヤは、スリッパリーなグラベルで最適なグリップを確保するだけでなく、大きなジャンプや高速走行に対処するための強度とパフォーマンスを確保する必要がある。最も長い日は競争区間が約150kmに及ぶ土曜日で、壮大なパイヤラー、ラプスーラ、パタヨキ、ヴェックラのジェットコースターのようなステージが連続する。ヴェックラのステージは全く新しいステージだ。各ステージは、他の日と同様に、朝と午後に2回走行する。日曜日午後には、巨大ジャンプが有名なルーヒマキのパワーステージが注目される。

 フィンランドのファーストチョイスとなるスコーピオンKX SA(ソフト)は、気温は10度から25度と予想される今週末の幅広いコンディションにもマッチしており、ウェットとドライのローグリップコンディションに適している。セカンドチョイスとなるスコーピオンKX HA(ハード)は、気温が30℃以上のドライコンディションに対応する。

 ピレリはフィンランドではトップカテゴリーのRally1カーのために500本のタイヤを用意する。Rally1のドライバーはシェイクダウンを含め、ラリー中に28本までタイヤを使用することができる。各ドライバーにはソフトSAが24本、ハードHAが8本割り当てられる。2022年のグラベルラリーの新ルールでは、これら標準の割り当てに加え、シェイクダウン前に各ドライバーがさらに4本のタイヤをいずれかのコンパウンドで選択できることになっている。そのためソフトSAを最大で28本使用することが可能となる。

 ラリー・アクティビティ・マネージャーを務めるテレンツィオ・テストーニは、次のように語った。

「フィンランドは、全開走行という特徴から、すべてのドライバーが勝利を欲するラリーであり、ギャップも僅かコンマ数秒となることがよくある。冷静な判断力と正確なペースノートとともに、ステージ中のタイヤマネージメントが重要となる。特に雨天では、サーフェイスはさらにスリッパリーとなるだろう」

「スコーピオンのソフトタイヤは、幅広いワーキングレンジで使用できる汎用性の高いコンパウンドであることをすでに証明しており、フィンランドの多くのステージで大きな課題となるジャンプでの信頼性を確保する頑強な構造のおかげで、今週末もドライバーが使用する唯一のタイヤになるだろう」

 また、ピレリはWRC2、WRC3に参戦する他の4輪駆動ラリーカーにも1700本のタイヤを供給する。WRC2、WRC3用のグラベルタイヤであるスコーピオンKは、ハードとソフトのコンパウンドをもち、トップカテゴリーのKXと多くの特性を共有している。Rally2カーがソフトK6BコンパウンドとハードK4Bコンパウンド、Rally3がソフトK6コンパウンドとハードK4コンパウンドを使用する予定だ。

 フィンランドでは、トップカテゴリーと同様にソフトをメインタイヤとしてファーストノミネートする。各ドライバーにはともにソフト22本、ハード8本が割り当てられ、シェイクダウンの前にいずれかのコンパウンドでさらに4本のタイヤを追加することが可能となり、シェイクダウンを含めて最大で26本が使用可能となる。