WRC2020/10/16

ペター、アンドレアスが道を間違えたのは内緒だ

(c)Petter Solberg

(c)Petter Solberg

(c)Petter Solberg

 ラリー・イタリア・サルディニアの最終ステージで新しいピレリ・タイヤのデモンストレーション走行を行ったペター・ソルベルグは、アンドレアス・ミケルセンのペースノートの読み方が最高にうまかったと讃えたが、ステージに向かう途中でナビゲーションミスから道を間違えてしまったと暴露した。

 ソルベルグはラリー・イタリア・サルディニアの最終日、サッサリ・アルジェンティエラのステージで行われたパワーステージにピレリの開発車両だったシトロエンC3 WRCで登場、ピレリ開発ドライバーを務めてきたミケルセンとともにピレリの最新世代のスコーピオンKXタイヤの走りを披露している。

 パワーステージでは、競技を走るトップドライバーに先駆けてソルベルグとミケルセンの二人が真っ先に登場、あまりにもペースノートの情報量が多いドライバーとして知られるペターのために必死になってペースノートを読み上げるミケルセンの様子や、初めてドライブする新世代WRカーに全開の鞭をいれるペターの姿が世界に向けてライブ中継されている。

 wrc.comのゲストコラムに登場したソルベルグは、先週末のラリー・イタリア・サルディニアの素晴らしい体験をふりかえり、本来なら新しいタイヤのお披露目のためのデモランだったものを、せっかくマシンを走らせるチャンスだったので、少しだけプッシュしたと告白している。

「ラリー・イタリア・サルディニアのパワーステージで、新世代のWRカーに乗ってみたかったかって? その質問に答えるのには、1秒もかからない。もちろんだ! 皆、僕のことをよく知っているよね。僕がこのチャンスを断ると思うかい?」

「いろいろな理由で嬉しかった。サルディニアでは2004年に初めて優勝しており、そのイベントでシトロエンC3 WRCをドライブするチャンスだったし、ピレリの友人を助けるチャンスでもあった」

「ピレリが来シーズンからWRCに復帰することは知っていると思うけど、彼らはここ数ヶ月間、タイヤの開発に多くの努力を費やしてきた。そして彼らのテストドライバーを務めてきたアンドレアス(・ミケルセン)が、サッサリ-アルジェンティエラのステージでは僕のコドライバーを務めてくれることになった」

「これは本当にクールな出来事だった。そして(息子の)オリヴァーが同じラリーにシュコダ・ファビアで参戦していたので、さらにクールだった。僕たちは昨年のウェールズ・ラリーGBに一緒に参戦し、ともにフォルクスワーゲン・ポロR5を駆って僕のお別れツアーをしたが、とても楽しかった。サルディニアでは、少しだけ同じような感じだった」

「僕は今までこのマシンをドライブしたことがなかったので、タイヤとセットアップのフィーリングを掴むために、シェイクダウンで3回走った。タイヤは非常にいい走りができたし、フィーリングも良く、グリップもあった」

「だが、すぐに自分の仕事のルーティーンに気持ちが戻っていくのが感じられた。クルマのフィーリングを感じながら、何か変えられることはないかと考えていたんだ。ダンパーのこの部分に手を加えられるなとか、ディファレンシャルのあの部分を変えたらどうか、とかね」

「テレンツィオ(・テストーニ、ピレリのラリー部門責任者)にタイヤのことを聞かれたとき、僕は彼に、タイヤは問題ないが、ロールバーのセッティングを見直さなくてはいけないと答えたんだ。そしたら彼に、『ペター、パワーステージのシェイクダウンだよ。君はタイヤを試して楽しむためにここに来たんだ』と言われてしまったよ!」

「シェイクダウンでかなりいい調子をつかんでいたアンドレアスは、僕に、『日曜日には5ポイントを狙うぞ!』と言っていた」

「僕はステージのスタート時には少し緊張していた。アンドレアスはノートを読むのがとても上手かった。素晴らしかった。これからは彼のことをアンドレアス・ミルズ(!)と呼ぼうかと思ったほどだ。でも、ステージに向かう途中で道を間違えてしまったのは事実だ」

「スタート前に、ショーをやるべきか、それともハードに走るべきか、と考えていた。僕はショーを見せるのが好きだが、せっかくマシンを走らせるチャンスだったので、少しだけプッシュして、どんな感じか見てみたかったんだ」

「気に入ったよ。再びラリーでハードな走りができて、とてもうれしかったよ。アンドレアスのノートは完璧で、僕は下り坂のコーナーでブレーキングが少し遅れただけだった。このステージは本当にトリッキーで、非常にナローなところもあったし、轍もたくさんあった。簡単ではなかったが、一気に集中してハードに走ることができた」

「初めてマシンに乗ったわりにタイムは悪くなかったが、オリヴァーが彼のタイムを僕に教えたがった。確かにオリヴァーは僕より数秒速かったが、彼は今やもう青年だからね。もしスタート前に短いイベントを走って、そして、マッピングをいじっていたら、間違いなくもっとタイムが上がっていた。次回こそ・・・」

「真面目な話、ピレリとアンドレアスには本当に感謝している。とても楽しかった!」