Raid2021/01/16

ペテランセルが14回目のダカール優勝

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 サウジアラビアで開催されてきた2021年ダカール・ラリーは、15日に最終日を迎え、Xレイド・チームのステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)が記録更新となる14回目の勝利を獲得した。

 ペテランセルは全12ステージで争われた今年のダカールで、ペテランセルは第2ステージでトップに立ち、その後もトップを譲ることなく、ヤンブ〜ジェッダ間で行われた最終の第12ステージでは悠々とした走りで3番手タイムでフィニッシュ、ライバルのナッサー・アル・アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)に最終的に14分51秒差をつけて勝利を手にすることになった。

 ペテランセルが今大会でステージ勝利を飾ったのはネオムをループした第9ステージのみだったが、トラブルを最小限にくい止める堅実な走りを続けて2015年以来の最少ステージ勝利数での勝利となった。

「14回目の優勝でも、この高鳴る気持ちは変わらない。ダカールには簡単な勝利はない。外から見ると簡単に見えたかもしれないが、ナッサー(・アル-アッティーヤ)との差をどうにかするのは毎日簡単なことではなかったよ」とペテランセルは語った。

「身体へのプレッシャーが大きかった。毎日、自分たちにはすべてを失うことになると感じていたので、それをどうにかするのは複雑でしたが、最終的にはエドゥアール(・ブロンジェ)が初レースで良い仕事をしてくれた。ナビゲーションも良かったし、彼は本当に落ち着いていて、本当に信じられないような仕事をしてくれた」

 また、今回の勝利は、ペテランセルにとってヤマハの二輪部門で初優勝してからちょうど30年後のことになる。

「3大陸で14勝を挙げたし、30年前の今日は初優勝の記念日でもある。モータースポーツのキャリアは長い。経験と落ち着いていられたことが勝因だと思うが、どうかな・・・違いはおそらくナッサーがプロローグでミスをしたことだと思う。彼はプロローグで優勝したが、それが最初のミスだったと思う。彼はプロローグで勝ちたかったからダカールで負けたんだと僕は思う」

 一方、アル-アッティーヤはプロローグを含む5ステージを制して今大会の最多勝を記録したが、オープニングスペシャルで12分を失った後は常に後手に回ることになった。第8ステージまでにその差を6分以下に縮めることに成功したが、ナビゲーションの難しさと翌日の3回のパンクで反撃のチャンスを失い、2年ぶり4度目の勝利は叶わなかった。

 2年連続優勝を目指したカルロス・サインツ(MINI JCWラリー)は、前半戦ではナビミスとコースを見失ったことで50分近くの遅れを喫し、ライバルたちの不運に頼るしかない状況となっていたが、さらに第9ステージでブレーキパイプの破損でトップから1時間遅れの3位に終わることになった。