WRC2020/04/26

ポルトガルの10月延期開催に黒い雲

(c)Hyundai

 ラリー・デ・ポルトガルの主催者であるオートモービル・クラブ・ポルトガル(ACP)は、5月に予定していたイベントを10月末に延期するための準備を進めてきたが、ルートにあたる一部の自治体の承認が得られずこれを断念せざるを得ない状況になったようだと複数の現地メディアが報じている。

 ラリー・デ・ポルトガルは5月21-24日に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により延期となっており、主催者はポルトガルASNにあたるFPAK(ポルトガル自動車とカートレース連盟)とともに10月の新日程での開催にむけて関係者と調整を進めてきた。

 しかし、開催日程などに多くの不確実性が存在するため、現地メディアによれば、ラリーのルートが予定される自治体の多くが、6カ月後に計画されるイベントへのロジスティックおよび財政支援について無条件で提供しなければならないという約束について議会で承認できてないという。また、パンデミック危機が今後どのように進展し、スポーツなどイベント開催に関する政府の方針がどうなるのか明確でないだけに、当分の間は判断ができないという事情もあるようだ。

 すでにいくつかの市議会がこの決定を留保していることから、ACPの主催チームでさえ、再スケジュールの実現に関連して希望が減ったことを認めたとの情報があるほか、土曜日のルートにあたるヴィエイラ・ド・ミーニョの市長は、ラジオ・アルトアベニューの取材に対して、「イベントはキャンセルされることになり、2020年の別の日に開催されることはないだろう」と語ったとの情報もあるように、開催は非常に難しい状況になったと考えられている。

 現地メディアがACPの関係者に連絡を試みたところ、情報筋はラリーがキャンセルされたという正式な確認はまだないと語ったという。