ERC2021/08/28

ミケルセン、チェコ予選で地元勢を抑えて最速

(c)ERC

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦のバルム・チェコ・ラリー・ズリーンの予選ステージが27日金曜日の朝に行われ、トーク・スポーツWRTのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)が2分34.711秒のトップタイムをマークした。

 前日まで降った雨は一旦上がったものの、シェイクダウンが始まる2時間前からふたたび路面を濡らすことになり、4.07kmのマレノヴィツェの予選ステージは難しいウェットコンディションとなっていた。

 ERCリーダーのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 Rally2)は水曜日のテストでクラッシュしてエンジンンルームから出火、ハーネスを焦がしたためにチェコ・ラリー・ズリーンへの参戦を断念しており、1ポイント差で選手権2位につけるミケルセンにとっては逆転の大きなチャンスとなる。

 週末がウェットコンディションになる可能性があるため、有利なロードポジションで土曜日をスタートするためにも予選は重要な意味をもっている。オラ・フローネに代わってヨナス・アンダーソンとチェコ・ラリー・ズリーンのスタートを迎えたミケルセンは、スリッパリーなコンディションのなか、強力な地元勢を相手にセンセーショナルなスタートを切り、2分34.711秒のトップタイムをマークすることになった。

「予想していた通りのトリッキーなコンディションで、たくさんの泥があったが、動きは予測できたので驚きはなかったよ」とミケルセンは語った。

 ヤッコACCRチームの22歳のエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)はミケルセンから0.524秒差の2位で続き、3位には元ERCチャンピオンであり、チェコのレジェンドであるヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアRally2エボ)を0.006秒という僅差で上回ってみせた。

 ズリーンで9度の優勝を経験しているコペツキは今季、シュコダがファクトリーチームの参戦をキャンセルしているため、自身のアグロテック・シュコダ・チームでシーズンに挑んでおり、50回目の開催を迎える母国ラウンドの絶対本命と目されているが、元マウンテンバイクレーサーという異色な経歴をもつチェコの新星ツアイスは雨を得意としており、この週末で波乱を呼ぶ存在となるかもしれない。

 ツアイスは、予選ステージでのトップを逃したことは痛いが、トラブルのためどうすることもできなかったと明かしている。「ポップオフバルブが3回も開いてしまったんだ。タイムは良かったけど、がっかりしているよ。ホームイベントで最初にスタートしたかっただけにね」

 一方、コペツキもここでは堅実なペースだったと余裕の表情だ。「ここではスリックタイヤで走ったが、この週末はスリッパリーな場所も多く、もっと厳しくなるだろう」

 ORLENチームのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)はコペツキから0.007秒差の4番手タイム、チームMRFタイヤからデビューしたヒュンダイ・ジュニアドライバーのヤリ・フットゥネンが印象的な走りを見せて首位のミケルセンから0.955秒遅れの5番手タイムで続いている。

 2019年のERC1ジュニアチャンピオンであるフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が6番手、オーストリアのサイモン・ワーグナー(シュコダ・ファビアRally2エボ)が7番手、ヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)が8番手で続いている。

 予選のトップ15台のドライバーたちはこのあと現地時間16時30分からズリーンで行われるスタートオーダーセレクションで土曜日からのスタート順を選ぶことになる。

 チェコ・ラリー・ズリーンはそのあと21時15分に行われるスーパーSSズリーンで開幕する。