先週末に開催されたポルトガル選手権開幕戦のラリー・セーハス・デ・ファフェで、クリス・ミークが勝利を収めた。
紆余曲折を経て、正式に昨年のポルトガル・チャンピオンに輝いたミークは、今シーズンからトヨタGRヤリスRally2へとマシンスイッチ、ポルトガル・ラリー選手権の開幕ラウンドにおいて、同じくWRCのトップドライバーの一人であるダニエル・ソルドに32.3秒の差をつけて勝利した。
ポルトガルは不安定な天候が続いており、大西洋に近いファフェ・エリアも雨によって難しいコンディションとなったが、ミークはまったく新しいマシンながら土曜日の最終ループまで安定した走行を維持し、リードを守りきった。
ラリー後、ミークは膝の手術のために、開幕戦に間に合うかどうか危ぶまれていたことを明かした。
「実は、ポルトガルに到着する4週間前に、フラット・トラック・モトで転倒して前十字靭帯(ACL)の再建手術を受けたんだ。時間的に非常に厳しかったが、オルテマのスタッフが脚を3Dスキャンしてオーダーメイドのカーボンとチタン製の特注装具を用意してくれた。そのおかげで今週末のラリーに出場することができた」とミークはコメントした。「まだ回復には時間がかかるが、今週末のドライブを可能にするため、この短期間でここまでサポートしてくれたすべての人に心から感謝している」
ソルドは滑りやすいコンディションの路面で彼のヒョンデi20 N Rally2はグリップが足りなかったという。
「本当に難しい天候だったため、リズムを掴むのは難しかった。クリスはチャンピオンシップで強い立場にいる。彼のマシンは新しく、競争力があるが、僕らも自分たちの車を改良しようとしている」とソルドは語った。
「選手権ポイントにとって重要なパワーステージを勝利することができたことはポジティブだが、僕らのマシンにはまだ取り組むべきことがあり、新しいことをテストする必要がある。少しアップデートすれば、もっと競争力が増すだろう」
一方、Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームからWRCにパートタイム参戦を計画するマルティンス・セスクスは、ラリー・デ・ポルトガルの準備として、パスト・レーシングのフォード・フィエスタRally2で参戦したものの、土曜朝のループでパワーステアリングのトラブルに見舞われてしまいリタイアを余儀なくされた。
金曜日のレグを終えた時点で、セスクスはミークからわずか4.8秒差遅れの2位につけ、土曜日の朝のSS5のベストタイムで一時的に首位に立ったものの、その直後のSS6でこのトラブルに見舞われ、続行への強い意思をみせていたがSS7でリタイアを喫してしまっている。
「パワーステアリングのトラブルによって、わずか1ステージの間にリードからリタイアへと追い込まれてしまった。全力を尽くしただけに残念だが、必ず強くなって戻ってくる。クリスやダニと競えたことは大きな経験だった」とセスクスはSNSでコメントした。