WRC2021/11/26

モンテ出陣準備? ローブ再びプーマRally1をテスト

(c)M-Sport

 セバスチャン・ローブは木曜日、フランスでフォード・プーマRally1ハイブリッドをテスト、1月のラリー・モンテカルロにM-スポーツ・フォード・ワールド・ラリーチームのメンバーとして出場するという噂がさらに加速することになった。

 今季のWRC最終戦ACIラリー・モンツァが終わったばかりにもかかわらず、すでにトヨタとMスポーツ・フォードが今週、1月のラリー・モンテカルロに向けてRally1カーのテストを開始しており、木曜日にはモンテカルロにMスポーツから参戦するという噂が囁かれてきたローブがプーマRally1のテストを行っている。

 ローブは、2020年末にヒュンダイ・モータースポーツから離脱して以来、1シーズンの間、WRCから離れていたが、10月にプーマRally1ハイブリッドを1日ドライブしている姿が目撃されている(写真)。

 Mスポーツ・フォードは、すでに火曜日から南フランスのターマックにおいてガス・グリーンスミスとアドリアン・フールモーが半日ずつのテストを行い、そしてチームリーダーのクレイグ・ブリーンがそれに続いて水曜日にテストを行っている。ローブは木曜日、ギャップでプーマRally1のコクピットに戻り、夜のうちに降った雨で濡れた路面でテストを行っている。

 2022年のWRC新時代に向けて、今週、Mスポーツ・フォードだけでなく、ほかのマニュファクチュラーもいっせいに動き始めており、2022年に向けたマシンの最終準備のために最も重要な時期となりそうだ。

 トヨタも月曜日から、チーフテスターのユホ・ハンニネン、火曜日のカッレ・ロヴァンペラ、水曜日にはエルフィン・エヴァンスがGRヤリスRally1のテストを行い、木曜日にはセバスチャン・オジエが初めてこのマシンのコクピットに付く予定だった。

 ローブとオジエは当初、同じ日に2022年のマシンをテストする予定だったことから、オートザルプ地方のファンの興奮は最高潮に達するだろうと伝えられていたが、残念ながらエヴァンスのテスト中のアクシデントのためにオジエのシェイクダウンは延期になった模様だ。

 ローブがフレンチアルプスで準備している状況は、9度のチャンピオンと8度のチャンピオンがモンテカルロで対決するという魅力的なシナリオに一歩ずつ近づいてきていることを示しているみえる。オジエは以前、ローブがWRCに戻ってくるのを楽しみにしていると語っている。

「より強いドライバーやチャンピオンが一緒に戦うことは、スポーツにとっても、エンターテインメントにとっても良いことだと思う」

「もし、またそういうことがあるとしたら、僕はそれを楽しみにしている。もしかしたら、モンテですでに起こりうるかもしれない」

「彼(ローブ)は常に指標となる存在で、僕たちは常に比較されてきた。一緒に良い戦いをしてきた。だから、もしまたそういうことがあるのなら、きっとまた同じように接戦になるだろうね」

 いまのところ、Mスポーツは、ローブのテストについては認めているものの、契約に関しての情報についてはノーコメントとしている。関係者はMスポーツ、ローブ、そしてレッドブルの間での交渉が続けられてきたことを認めてきたが、モンテに彼が参戦するという最終合意はまだ確認されていないとの情報だ。

 また、仮にその合意ができたとしても、ローブはこのあとダカールへの参戦の準備で忙しくなるため、彼がプーマRally1のテストを行う機会はこれが最後になる可能性もありそうだ。