2025年ダカール・ラリーは、ヘンク・ラテガン(トヨタGRハイラックス・エボ)が第8ステージで圧倒的なパフォーマンスを見せ、総合首位のリードを拡大した。
アル-ドゥワディミからサウジアラビアの首都リヤドまでの487kmにわたって行われた第8ステージで、ラテガンは前日の大幅なタイムロスから立ち直り、最速タイムを記録し、21秒差まで迫っていた総合 2位につけるヤジード・アル-ラジ(トヨタGRハイラックス・エボ)との差を5分41秒に広げた。
第8ステージのもう一つのハイライトとなったのは激しい3位争いだった。ダチアのナッサー・アル-アッティーヤ(ダチア・サンドライダー)が猛烈な追い上げをみせて、3位につけるMスポーツ・フォードのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)との差をわずか5分19秒まで縮めた。
この日のリヤドへ向かうルートは、再びバイクカテゴリとは 独立したスプリットステージで、序盤にコースを開いた選手は多くのタイムロスを強いられた。実際、エクストロームは2番手スタートから54km地点の最初のウェイポイントまでに4分以上を失って53番手タイムに甘んじている。
物議を醸した前日と同様、第8ステージのスタートでもデジタルナビゲーションが難関となった。クルーたちは砂丘のセクションの前に、岩場に草木が生い茂るセクションを通過しなければならなかった。エクストロームとナビゲーターのエミル・ベルクヴィストは、複雑なナビゲーションの中で何度かUターンを強いられてしまった。
ダカール・ラリーで5度優勝した経験を持つアル-アッティーヤは、ステージを、エクストロームから11分以上遅れの2つ後ろのポジションからスタートしたが、優位な出走順を活かして差を縮めることに成功した。アル-アッティーヤは第4ステージでリヤサスペンションアームの破損により30分以上ストップして後退したあと出走順の影響を受けてなかなかポジションを上げることができなかったが、表彰台の最後の座をめぐってエクストロームに迫っている。
アル-アッティーヤはライバルからタイムを奪ったものの、砂丘で本領を発揮するまで最初はナビゲーションに苦労したと認めた。
「とても厳しい一日だった」とアル-アッティーヤは説明した。「道を開くのはとても難しかった。ヤジード(・アル-ラジ)が良いラインを走っていて、彼に抜かれてからは、砂丘で彼を追い抜くまで彼にひたすらついて行ったが、本当に大変だった」
「今日を無事に終えられてうれしい。まだ4日間残っているので、どうなるか見てみよう。ナビゲーションはとても大変だった。運がいいときもあれば、そうでないときもあったけれど、なんとかここまで来ることができた」