WRC2019/12/16

ラトバラ厳しい予算の壁、来季は最大3戦か

(c)Toyota

 ヤリ-マティ・ラトバラはトヨタGAZOOレーシングWRTのフル参戦のシートを失ったにもかかわらず、来シーズンもチームでのプログラムを継続するための作業を続けている。だが、トヨタで5ラウンドを走りたいという彼の野心的な計画には資金の壁が立ち塞がっているようだ。

 ラトバラはすでにヤリスWRCの開発作業についてはトヨタと合意があるが彼はまだプロフェッショナルドライバーとしてのラリーへの参戦を継続することを諦めたわけではない。彼はこれまでにスウェーデンとフィンランドの2ラウンドについてはチーム代表のトミ・マキネンと合意に至っていると説明した。だが、さらにポルトガル、サルディニア、ウェールズの3ラウンドを追加するための話し合いについて、彼は最終的に自分の夢を修正することになったと語った。

「トミ(・マキネン)からスウェーデンとフィンランドの2戦のためにマシンをレンタルしてもらうことになった。そして、おそらくウェールズでもね。(そのほかのイベントの夢もあったが)僕にはこれ以上投資することはできない。これ以上の数を走ることは、成功するためにあまりにも多くのリスクとプレッシャーを伴うからね」と、ラトバラはフィンランドメディアのHSでコメントした。

 同メディアは、ヤリスを一戦でレンタルするためには、20万ユーロがかかると推測している。マシンのレンタル費用には、メンテナンス、4人のメカニック、レースエンジニアが含まれる。ラトバラはスポンサーを今後集めるとしても残りすべては自費で支払う覚悟だと説明している。


「この金額と提案については公正なものだと思う。僕が自分のお金を払うということについて、僕が狂ったという人がいるかもしれない。しかし、僕は来年、世界選手権で走らざるをえない。シーズン半ば後にトップカテゴリーに戻ることは困難だ。ドライブしていないドライバーのことは誰も覚えてないからね」

 ラトバラは長年にわたって彼のマネージメントを担当してきたティモ・ヨウキからの支援はなく、自身で予算を見つけなければならないと語った。彼は、トヨタのセバスチャン・オジエとヒュンダイのセバスチャン・ローブが来年で引退することを考えた場合、2021年にはふたたびシートのチャンスはあると考えている。

「2021年にトヨタはフルシーズンでシートが1つ空き、ヒュンダイも半分空くと予想されている。そこから先の将来は、2022年からの新しいラリーのルールでどう変わるか誰にもわからない。モータースポーツのために予算を探すのは難しい時代になっているが、僕はまだキャリアを終えるつもりはないよ」