WRC2024/08/01

ラリー・ディ・ローマ、2026年WRC開催を照準か

(c)Rally di Roma

 ラリー・ディ・ローマ・カピターレの主催者代表を務めるマックス・レンディナ(写真右)は、近い将来、このイベントをWRCとして開催するための懸命な取り組みを続けていると認めた。

 首都のローマをスタート地点とするこのイタリアのターマックラリーは、ラリー・ディ・ローマ・カピターレは、2013年に初開催されたばかりだが、このエキサイティングなターマックイベントは、開催3年目にはイタリア選手権(CIR)のカレンダーに加わり、それ以降も目覚ましい進歩を遂げて、開催5年目を迎えた2017年にはERCイベントへと昇格を果たし、成功と実績を積み重ねてきた

 ラリー・ディ・ローマ・カピターレのプロモーターは元ラリードライバーで2014年のWRC2プロダクションカーカップの王者に輝いたレンディナが経営するモータースポーツ・イタリアだ。モータースポーツ・イタリアはかつてはラリーアート・イタリーとしてラリーチームとしてマシンのプリペアを行い、MINIのWRCプログラムを担当したこともある。当時のチーム代表のブルーノ・デ・ピアントは現在、ラリー・ディ・ローマでもイベントディレクターを務めている。

 ラリー・ディ・ローマは先週末、第12回目となるイベントを成功させたが、レンディナはこのイベントが生まれた当初から、ローマにWRCを目標に掲げてきた。ERCからは今季、ラトビアのラリー・リエパーヤがWRC初開催され、ラリー・イスラス・カナリアスがすでに2025年にWRCカレンダーに加わることが決まっており、ラリー・ディ・ローマが2026年にそれに続く可能性が高いとの噂は以前から囁かれてきた。

 レンディナは、ラリー・ディ・ローマをWRCとして開催する野望を隠そうとはしていない。

「我々はそのため(WRCへの昇格)に取り組んでいるし、FIAやWRCプロモーター、イタリア連盟(ACI)とも話をしなければならないので、それだけが我々の使命ではないが、そのために懸命に取り組んでいる。それが成功しなければ、また挑戦するつもりだ」とレンディナは語っている。

 WRCイタリア・ラウンドの開催地は、2004年にイタリア本土のサンレモからサルディニア島に移って以来、2009年を除いて毎年、この島で開催されている。ラリー・イタリアがサルディニア島を離れてイタリア本土に戻る計画は過去、何度か浮上したものの、その都度、白紙になっている。それは、イタリア自動車クラブ(ACI)会長のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ(写真中央)がラリー・イタリア・サルディニアの主催団体の会長でもあったことも強く働いてきたと信じられている。

 しかし、数年前からイタリアがWRCのステイタスを維持するためには、遠からず島から本土への帰還は避けられない状況にあるとも噂されており、WRCプロモーターとチームからは島に行くためのロジスティクスの負担が大きいこと、そして観客の少なさやプロモーション的な価値の低さについての批難がでていた。

 レンディナは、ローマのシンボルとも言える世界遺産のコロッセオで行われるこのイベントの目玉となっているスペシャルステージを将来のWRCプロジェクトのコアとして定め、すでにいくつかの構想を温めているようだ。

「コロッセオ(のステージ)だけはどこにも真似できないものだから、人気も出るだろう。もしWRCのプロジェクトが実現すれば、それがもっと長いステージで違った特徴を持つゲームの一部になるだろう」と、レンディナは付け加えている。

 サルディニア島がイタリア・ラウンドの開催地として2025年も契約済みであることから、ラリー・ディ・ローマのWRCカレンダー入りが実現するのは現実的には最速で2026年となる。