イプシロンHFレーシングは、イプシロンHF Rally4の下位に位置づけられるエントリーモデルとして開発された。フランスのFR6規定に適合した車両を発表するマニュファクチャラーは、姉妹ブランドであるプジョーの208とルノーのクリオRally6に続き、ランチアが3番目だ。
イプシロンHF Rally4とイプシロンHFレーシングは、まったく同じシャシーを採用しているが、後者はコストパフォーマンスを考慮し、機械的構成がより安価かつシンプルに設計されている。
FR6仕様のHFレーシングには、145bhpを発揮する1.2リッターエンジン(Rally4は212bhp)が搭載され、5速SADEVギヤボックスとオーリンズ製ダンパーが組み合わされている。ブレーキも小型化されており、HFレーシングのフロントローターは302mmで、Rally4の330mmベンチレーテッドディスクよりも径が小さくなっている。
注目すべきは、その価格がRally4モデルのほぼ半額である点だ。ランチアの上位モデルが74,500ユーロ(約1260万円)であるのに対し、このエントリーモデルは、FIA公認のロールケージと安全装備を備えながらも、税別38,900ユーロ(約660万円)という低価格で提供される。
イプシロンHFレーシングの初回受注は2025年夏以降に開始される予定だ。