ERC2018/06/02

ルクヤヌク、パンクを乗り越えギリシャ初日トップ

(c)ERC

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 ギリシャで行われているヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第3戦アクロポリス・ラリーは、選手権リーダーのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)がパンクに見舞われてスペアタイヤを使い果たす不運に見舞われながらも、圧巻の速さをみせて、後続に33.5秒差をつけて初日のリーダーとなっている。
 
 アクロポリスは6月1日金曜日の11時からアテネにあるユネスコの世界遺産アクロポリス城塞遺跡で行われるセレモニアルスタートで開幕、アテネ・オリンピックのために建設されたマルコポーロ・オリンピック馬術センターで行われるヒッポドーム・スーパーSS(2.60km)とラリー最長のテーベ(30.53km)の2つのステージを走ったあと、230km先のラミアへと移動する一日となる。
 
 長いステージを先に控えているだけに短いオープニングSSでは大きな波乱がないようにも思えたが、いきなりドラマが発生する。15番手のポジションからスタートしたルクヤヌクは、ダスティな最初のコーナーでワイドになってコースオフ、右フロントタイヤをパンク、12.8秒をロスして20番手に沈むことになったのだ。
 
「スタートして最初のコーナーでオフしてタイヤがリム落ちしてしまった。ダスティだったかもしれないがわからないよ。しかし、これでスペアタイヤを使い果たしてしまった・・・」とルクヤヌク。まだ長いテーベのステージが残っており、そのあとには長いロードセクションを移動しなければならない。もはやパンクは許されないだけに、彼はいきなり厳しい状況へと追い込まれることになってしまった。
 
 だが、続くテーベのステージでは路面に積もった大量のルースグラベルで多くのドライバーたちがドラマに見舞われるなか、ルクヤヌクは逃げ場のないチャレンジにもかかわらず、後続に対して44.5秒の大差を築くベストタイムを叩き出し、初日の首位に立つことになった。
 
「このタイムにはびっくりしたよ。いくつかミスをしたからね。前のステージで多くのタイムを失ったので、それを取り返すためにも本気モードで行った。しかし、路面は本当にクリーンだった。僕の前を走ったドライバーよりかなり良かっただろうね」とルクヤヌクは語っている。

 
 ルクヤヌクから33.5秒差の2位につけたのはノルウェーのエイヴィンド・ブリニルドセン(フォード・フィエスタR5)。最初のステージではタイヤを温存していた彼は、待っていたとばかりにSS2で攻めたが、1つのコーナーでのスピンを喫したためタイムを失うことになった。それでも彼は「かなりいい走りができているので、今日は満足だ」と語り、明日以降の巻き返しに自信をみせていた。
 
 予選トップのユーソ・ノールドグレン(シュコダ・ファビアR5)はジャンクションでミスしたためにリバースギヤを使わなければならず首位から38.4秒遅れの3位。ポルトガルのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)もグリップに苦しみながら「2〜3回危ない瞬間があった」としながらも、ノールドグレンから2.1秒差の4位で続いている。
 
 ギヤシフトの問題を抱えながらもキプロス出身のアレクサンドロス・ソウロフタス(シトロエンDS3 R5)が5位、ロシアのユーリ・プロタソフ(シュコダ・ファビアR5)が6位で続いている。SS1でトップタイムを奪ったハンガリーのノルベルト・ヘルツィヒ(シュコダ・ファビアR5)はスリッパリーなSS2でタイムを落として初日は7位となっている。

 グリップのない路面でまったくペースが上がらなかったグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)が8位、フーベルト・プタシェック(シュコダ・ファビアR5)が9位となっている。

 また、ERC2でもルクヤヌクのチームメイトであるセルゲイ・レメニク(三菱ランサーエボリューションX)がSS1でパンクで遅れ、ハンガリーのティボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューションX)がリードを奪っている。

 アクロポリス・ラリーの土曜日、ラミア近郊のラフなステージへと舞台を移して6SS/123.76kmが予定されている。