プジョー206 WRCを駆って20年前にラリー・スウェーデンに優勝しているハリ・ロヴァンペラにとって、息子のカッレがフィンランドでドライブするトヨタ・ヤリスWRCでのコドライバーシート体験は感動と衝撃に満ちたものだったようだ。
トヨタGAZOOレーシングWRT は今週火曜日からフィンランドでのテストを再開、カッレがテスト初日に最初にステアリングを握っている。
カッレがどうやって父をテストに連れ出したのかわからないが、彼はテストの合間に父のハリを初めてヤリスWRCのコドライバーシートを乗せ、親子でこの高速ステージでのドライブを楽しんでいる。
ハリは、全開での走行が終わったときコクピットのなかですこしだけほっとしたような表情をみせ、クルマから下りるや椅子にへたりこんでいる。
「恐ろしかったよ。とっても怖かった。信じられない速さだった。カッレには驚かされた。とくに特別だったのはクレストを越えた先の右コーナーで狭くなっていたところにこのくらいの側溝があったことだ。でも、問題はなにもなかった。なにもね! だからコドライバーのシートに座るのは嫌だったんだよ」と、ハリは一息ついて笑みをみせた。
ツーブロックの新しい髪型にしたカッレは、父とのファミリーランを終えた後、これが最初からの計画だったと認めている。
「僕はいつもラリーカーに乗せてあげるのが好きなんだ。いつも楽しんでいるからね」とカッレは満面の笑みを浮かべていたが、それを聞くや、父は「お前にとっては楽しいさ!」と即座に答えていた。
トヨタGAZOOレーシングWRTがソーシャルメディアで公開した動画では、コクピットで恐怖にひきつったような顔をしている父をチラ見していたずらっぽく笑っているティーンエイジャーの素顔を映し出している。