7月29日に中央フィンランドのタンペレで開催されたHYAセンター・ラリーで、トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が優勝を果たし、ラリー・フィンランドに向けて最後のウォームアップを行った。
HYAセンター・ラリーは8SS/73.00kmで行われたショートイベントだが、ロヴァンペラとともにチームメイトのエルフィン・エヴァンスがトヨタGRヤリスRally1で出場したほか、当初はオイット・タナクも参戦してラリー・フィンランドに向けて高速グラベルでの最後の準備を行う計画だった。しかし、タナクは前戦ラリー・エストニアでこのローカルイベントへの出場をキャンセルしたため、チームメイトのピエール-ルイ・ルーベがフォード・プーマRally1を駆って貴重なテストの機会としてイベントを最大限に活かすことになった
HYAセンター・ラリーはあいにく朝からかなり強い雨になったが、ラリー・フィンランドに向けて3台のRally1カーが出場するため多くのファンたちが詰めかけることになった。オープニングステージを制してラリーをリードしたロヴァンペラはSS7ウスキラ・ステージではワイドになってディッチにマシンを落として2輪走行のような状態になったものの、8ステージのうち5ステージを制し、エヴァンスに11.6秒差をつけて優勝を飾っている。
「雨もかなり多かったのでほとんどのステージが本当にぬかるんでいた。特に2回目のループはひどかった。そこでは、問題なく走りきるためのサバイバルがより重要だった」とロヴァンペラは語った。
「ラリーではちょっとした状況はあったが、幸い、遅い場所だったので大事には至らなかった。しばらくディッチの中を走ってコースに戻ることができたんだ。ラリー・フィンランドの前にレース環境で何キロもコースを走ることができたので満足だよ」
3位にはWRC3をリードするローペ・コルホネン(フォルクスワーゲン・ポロ GTI R5)、ヤリ・フットゥネン(シュコダ・ファビアRS Rally2)はTCへの遅れによるタイムペナルティを受け、コルホネンに続く4位となった。
ルーベはSS4でECUの問題でマシンを止めてリタイアしたが、午後のループでは特例でラリー続行が認められ、走りきった7ステージすべてで3番手タイムを奪っている。