WRC2018/10/30

勝田、「自分の成長と進歩に満足した一年」

(c)Toyota

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、10月25〜28日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・デ・エスパーニャに参戦し、WRC2カテゴリーを12位でフィニッシュ、自分の成長と進歩に満足していると一年のプログラムをふり返った。

 バルセロナ南西のサロウを中心に開催されたスペインは、金曜日はグラベル、土曜日と日曜日はターマックで構成され、WRC唯一のミックスサーフェスラリーだ。勝田にとっては昨年に続き2度目の参戦、今年6戦目のWRCイベントとなった。

 金曜日のグラベルステージ、勝田・サルミネン組は、強豪がひしめくWRC2カテゴリーにおいて引けを取らないスピードを見せ、グラベルとアスファルトのセクションが混在する難しいコンディションの中で行われたラリー最長のSS4ラ・ファタレーヤ〜ヴィラルバ(38.85km)で3番手タイムを記録したが、SS6でコースオフし、デイリタイアとなった。

 再出走した土曜日、降雨と前走車が掻き出した大量の泥に覆われたターマックステージは勝田にとって初めての経験となったが、徐々に自信をつけ、タイムも少しずつ伸ばしている。ドライタイヤで挑んだ日曜日、ステージは湿って滑りやすく、また新しい環境下での挑戦となったが、12位でフィニッシュした。

 勝田は、さまざまなコンディションへの対応力が求められる一戦でもまれたことで、また新たな経験と知識を身に着けることができたと感じている。

「とても複雑で難しいラリーでしたが、様々な状況でのドライビングを通して多くのことを学ぶことができた週末でした。SS4だけでなく、他のステージのスプリットタイムも良いタイムを刻むことができ、グラベルステージでのスピードには満足していますが、ミスをもっと減らさなければならないと感じました」

「土曜日(のターマック)は雨が降っていたためナーバスになりましたが、走行を重ねるにつれ、少しずつ自信が持てるようになりました。日曜日も同様に、ドライタイヤを選んだためグリップが少なく最初はナーバスでしたが、だんだん自信がついてきました。1年間を通して、自分の成長と進歩には満足しており、サポートしてくれたチームの皆にはとても感謝しています。常に私を正しい方向に導いてくれ、ここまで来ることができたのは彼らのおかげです。まだまだ伸ばすべき点はたくさんあるので、これからもさらなる成長のために努力を続けます」

 プログラムを監修するトミ・マキネン代表は次のように評した。

「この週末は勝田にとって貴重な経験となった。金曜日のグラベルでは良いタイムを出したが、ミスもあった。今回、濡れたアスファルトでの走行は初めてで非常に難しかったはずですが、土曜日、日曜日を走り切り、経験を積むことができた。この1年間のプログラムの進歩をうれしく思っている。勝田は良い成長を見せてくれたが、ラリーというスポーツで彼の能力を最大限に発揮するには、さらなる経験が必要となる。来年に向けて、彼の成長に効果的なスケジュールを検討しているところだ」