JAPAN2021/04/12

福永が唐津で優勝、シュコダが全日本初勝利

(c)Takeshi Sakuma

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 2021年全日本ラリー選手権第3戦ツール・ド・九州2021 in 唐津が4月10〜11日に行われ、福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が最終日に逆転優勝を飾ることになった。また、3秒差の2位には柳澤宏至/保井隆宏(シュコダ・ファビアR5)が続くことになり、R5仕様のマシンが全日本のトップカテゴリーでの初勝利を1-2で制圧することになった。

 土曜日のオープニングSSでベストタイムを奪ってラリーをリードしたのは新井敏弘。全日本チャンピオンの新井大輝がヨーロッパ挑戦のために欠場、前戦新城ラリーで速さを見せながらもクラッシュによって負傷した鎌田卓麻も治療に専念するためにここをスキップしたため、唐津ではスバルWRX STIのエントリーは新井敏弘ただ一人となったが、2台のシュコダ・ファビアR5、そして熟成の兆しをみせる5台のGRヤリスを抑えきるスタートをみせた。

 ところが、新井敏弘は続くSS2のゴール付近でバンクにリヤをヒット、20秒を失って5位まで後退してしまう。続くSS3、4のループはノーサービスで走るため、エキゾーストにまでダメージを負った彼はペースが上がらず、首位から25.9秒遅れで初日を終えることになる。

 新井の後退でSS2でベストタイムを奪った勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が首位に浮上するも、トヨタGRヤリスにマシンをスイッチして今季初戦に臨んだ奴田原文雄/東 駿吾がSS4でトップタイムを奪ってラリーをリード、これに福永が1.4秒差の2位、勝田が1.5秒差の3位という僅差で続き、6.6秒差の4位に柳澤がつける展開で初日を終えることになった。

 晴れて気温が20度近くまで上昇した最終日、オープニングステージから速さをみせたのが福永だ。彼はSS5でベストタイムを獲得して奴田原を抜いて首位に浮上、SS6ではタイヤに不安を感じてペースを落としたものの、SS7では再びベストタイムを獲得して奴田原に3.8秒差をつけて朝のループを終えることになる。

 福永は午後のループでも速さをキープ、2017年の若狭ラリー以来となる全日本2勝目を飾ることになった。

 2位争いは、初日4位にとどまった柳澤が最終日にペースアップ、SS8の2番手タイムで勝田を抜いて3位へ浮上、さらに終盤のSS9、10で連続ベストを奪って最終ステージで奴田原を0.1秒差で逆転して2位でフィニッシュすることになった。

 3位には奴田原、4位には勝田が続き、初日を5位で終えた新井は最終日の朝、ガス欠のような症状のあとエンジンを止めることになり、リタイアとなってしまった。

 また、JN2クラスは石井宏尚/竹下紀子(レクサスRCF)、JN3クラスは大竹直生/藤田めぐみ(トヨタ86)、JN4クラスは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)、JN5は天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)、JN6は吉原將大/佐野元秀(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ優勝を飾っている。

 全日本ラリー選手権次戦の第4戦久万高原ラリーは5月2〜3日に愛媛県上浮穴郡久万高原町で行われる。