『Sky News』によると、複数のプライベート・エクイティ企業が、世界ラリー選手権(WRC)の商業権を管理するWRCプロモーターGmbHに対してこれらの買収提案を準備しており、そのうち有力な1社としてスウェーデンのEQTパートナーズの名が挙がっているという。
昨年夏、WRCプロモーターGmbHの共同オーナーの一部が、JPモルガンとともに最大5億ユーロ(およそ800億円)で事業売却の可能性を含む選択肢を模索していると報じられた。
関係者によれば、EQTパートナーズはWRCに加えてヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の商業権も保有するWRCプロモーターGmbHに対し、およそ6億ユーロの買収提案を準備しているとのことだ。
1994年に設立されたEQTパートナーズは、現在ヨーロッパ最大級のプライベート・エクイティ企業の一つであり、運用資産総額は2700億ユーロを超えている。ストックホルムに本拠を置くEQTパートナーズの広報担当者は、この買収の可能性についてコメントを控えた。
EQTパートナーズはこれまでスポーツ市場への積極的な投資は行ってこなかったが、近年はこの分野にも関心を強めている。2023年にドイツのブンデスリーガの商業権の一部が競売にかけられた際には、EQTパートナーズも入札に参加した。
WRCプロモーターGmbHは、オーストリアに本拠をおくエナジードリンク・グループ「レッドブル」、および、実業家のカール・ヴィーゼネダーとトーマス・クローネが設立したドイツの投資会社「KW25」による合弁事業である。WRCプロモーター側の関係者は、売却の可能性についてコメントしていない。