WRC2019/06/17

豊田チーム総代表、申し訳ない気持ちでいっぱい

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTにとって、まさかの結末となったラリー・イタリア・サルディニア。オイット・タナクとチームが勝利する瞬間を炎天下となったサルディニアで見守った豊田章男チーム総代表は、この悲しい敗北の経験によってチームが勝利を追い求める力はいっそう強まったと述べるとともに、ヤリスをさらに速いマシンとして鍛え上げることを誓った。
(以下、豊田チーム総代表のコメント全文)

WRC第8戦ラリー・イタリアは最後の最後でとても悔しい結末を迎えてしまいました。

タナック選手、ヤルヴェオヤ選手が私を再び表彰台に連れていってくれようとしていた気持ちを感じていただけに、最後のステージでのスローダウンに私も言葉を失いました。しかし、一番辛い思いをしているのは、ドライバー、コドライバーの本人達だと思います。最後まで走り切らせてあげられなかったこと本当に申し訳なく思います。そして、戦いを見守っていただいたファンの皆さまにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

優勝という結果ではない時にこうしたコメントは今まで出したことがありません。しかし、今回は、伝えたい想いがありコメントを出させていただきます。今回、イタリアの現地に来て、みんなの戦いを見れたことには大きな意味があったと思っています。

貴元はリタイアの後、私に申し訳ないと言ってくれました。決して申し訳ないことはないと思っています。私が見たいのは、貴元がヤリスに乗って表彰台に立つ姿です。その日のために、今日の経験を力に変えてください。

クリスは私にヤリスは乗っていて気持ちのいいクルマだと言ってくれました。嬉しかったです。気持ちよく走りきり、結果に結びつく日が楽しみになりました。

ヤリ-マティは私に今度こそ、良い結果を届けると言ってくれました。ヤリ-マティの苦しんでいる姿も多く見ていただけに、彼にも良い結果がもたらされることを本当に願っています。

そして、オイット・・・彼がクルマから降りてきた時のやりきれなさそうな表情は忘れられません。しかし、その後、彼は、メカニック1人ひとりと抱き合い、チームのみんなの悔しさと向き合ってくれました。その姿に心を打たれました。なんとしてもオイットを、そして8号車の仲間達をチャンピオンにしてあげたいと心の底から思いました。私に今できることは、ヤリスを「もっと強いクルマ」そして「もっと安心して走らせ続けられるクルマ」にすることです。トミと共に、なんとしてもやり遂げます。

皆さま、これからもTOYOTA GAZOO Racing WRTを応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。