WRC2022/01/25

豊田社長、GRヤリスが本当の戦いの道を走り出した

(c)Toyota

 
 トヨタGAZOOレーシングのチームオーナーでもあるトヨタ自動車の豊田章男社長は、モータースポーツで勝つことをめざして生んだ市販スポーツのGRヤリスが、やっとWRCの舞台を走り始め、ラリー・モンテカルロのデビュー戦で優勝争いをしたことを喜んでいる。

 新しいハイブリッドによる新時代のWRCがモンテカルロでスタート、トヨタGAZOOレーシングWRTは4台のトヨタGRヤリスRally1を投入、セバスチャン・オジエとバンジャマン・ヴェイヤスが惜しくも優勝を逃して2位でフィニッシュしたほか、ワークスノミネートした3人のドライバーがともにベストタイムを獲得して素晴らしいシーズンのスタートを切ったほか、トヨタGAZOOレーシングWRTニュージェネレーションでフルシーズンに挑む日本期待の勝田貴元も8位で完走を果たす結果となっている。

 豊田社長は、GRヤリスRally1がデビュー戦において力強いパフォーマンスと高い信頼性も証明したとメッセージのなかでふりかえっている。(以下、メッセージ全文)
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セブ、惜しくも9度目のラリー・モンテカルロ優勝に届かなかったけど、新たな相棒のバンジャマンとのスタートは手応えがありそうでよかったです。我々が準備した新たな相棒“GR YARIS Rally1”とのドライブもフィーリングは悪くなさそうでした。持続可能なラリーを目指す新レギュレーションにより電動化された新たな相棒は「力は強いけど扱いには繊細な配慮が必要…」という感じだったかと思います。そんな“ちょっと気難しい奴”とも、セブはすぐに仲良くなってくれていたみたいでした。誰とでもすぐに仲良くなれるセブを尊敬します。

また、歴史と伝統ある世界ラリー選手権が、電動化・新燃料というカーボンニュートラルの実現に向けて進みだしたこと、FIAのリーダーシップ、準備に携わられたプロモーターなど関係された全ての皆さまに敬意を表します。他のドライバーたちも新しい相棒との相性に少し苦労していましたが、Day3では全てのSSで誰かがベストタイムを出してくれていました。毎戦毎戦、みんなとGR YARIS Rally1が、どれだけ仲良くなっていくか…今シーズンのWRCは新しい楽しみが増えました。ただ、サービスから静かに出ていくラリーカーの姿には、まだ、少し物足りなさを感じてしまいます(笑)。

今までのベース車はYARISでした。今年からはGR YARISです。「モータースポーツで勝つための市販車をつくろう」そう言いながら、久々に自分達の手でつくることができたスポーツカーです。今回、そのクルマがやっと本当の戦いの道を走り出しました。本当に嬉しいです。一緒にGR YARISをつくってきたみんなにもお礼を言いたいと思います。そのGR YARISから“GR YARIS Rally1”をつくったメンバーも相当の苦労をしたと聞いています。ヤリ-マティの下で心をひとつに頑張ってくれたフィンランドのみんな、そしてケルンからもサポートしてくれたメンバーにも、心からのお礼を言わないといけません。本当にありがとう! シーズンははじまったばかりですが、これからもよろしくお願いします。

ファンの皆さま、今シーズンもTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamを応援いただきありがとうございます。引き続き、応援よろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男

追伸
エルフィンと貴元がコースオフをした時、崖から一緒にクルマを引き上げてくれた沿道のファンの皆さま。SNSでその様子をみました。皆さまの力で2台は走り続けることができました。ありがとうございました!