WRC2019/10/09

選手権構造が変革、WRC2プロは一年で消滅

(c)Skoda

 先週末にドイツのケルンで行われたワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)において、現在、WRC2プロ選手権として行われているカテゴリーは来季からWRC2と呼称されることが発表された。

 WRC2プロ選手権はトップカテゴリー以外にもファクトリーがサポートするドライバーやマシンの参戦が増加することを狙って今季からスタート、ドライバー、コドライバー、およびマニュファクチャラーのチャンピオンシップが掛けられてきた。

 しかし、来季からWRC2プロはマニュファクチャラーだけではなく有力なプライベートチームにも門戸を開放してWRC2へと名称が変わることになり、R5マシンによる個人のプライベートドライバーのための選手権は来季からWRC3と呼ばれることになる。

 すでにFIAは6月のWMSCにおいて、F1を頂点とするフォーミュラレースのように、ラリーについてもラリーカーの車両グループ名称を変更して、RC1クラスのWRカーを頂点としてピラミッド構造へと変革し、グループR5は来季からグループRALLY 2と呼称が変更されることをアナウンスしている。

 今回の選手権カテゴリーに関する構造改革について、FIAはこのラリーピラミッドに従って選手権の構造をさらに簡素化し、プロのチームが参加することを奨励するとともに、セミプロおよびアマチュアの競技者に明確な道を提供することができると説明している。

 例えば、マニュファクチャラーが世界ラリー選手権へオフィシャル参戦をしないと表明しているフォルクスワーゲンなどについてはWRC2プロのエントラントしては期待できないが、このマシンを使用する有力チームも8ラウンドへの参戦へのコミットとともにFIAの承認によって新しいWRC2選手権への参戦が可能となる。

 しかし、いっぽうでは、ラリーGBのサービスパークでは、カッレ・ロヴァンペラとともにWRC2プロの初代ドライバーズタイトルを獲得したシュコダ・モータースポーツが来季の世界選手権プログラムを休止するという噂が囁かれており、マニュファクチャラーの参戦が期待されたほど増えないことへの危機感から選手権構造の見直しが必要になったとも考えられている。

 また、来季からマニュファクチャラーチームは、WRCイベントでポイントを獲得する資格のあるノミネートドライバーを決定するための時間的な猶予が与えられることになり、前のイベントのゴール翌日の月曜日12:00まで延長される。

 すべてのFIAラリーチャンピオンシップにおいて、翌日にリスタートするために走行しなかったすべてのスペシャルステージおよびスーパー・スペシャルステージのタイムペナルティについて7分から10分に引き上げている。

 FIAリージョナル・ラリー選手権ではチャンピオンシップポイントシステムが変更されることになった。シーズンの終わりまでチャンピオンシップの競争力を高く維持するために、2020年1月1日から上位15位までポイント獲得が可能となることを決定した(現在は10位まで)。

 新しいポイントシステムでは、1位には30ポイントが与えられ、以下順位に従って、24、21、19、17、15、13、11、9、7 、5、4、3、2、1ポイントが付与される。さらに、選手権によってはイベントの最も長い2つのレグに対して、1位から5位までは5、4、3、2、1ポイントがそれぞれレグのボーナスとして付与される場合があると発表している。