WRC2023/09/26

選手権苦境のタナク、チリ連覇を目指す

(c)M-Sport

 オイット・タナクはラリー・チリで優勝した経験を持つ唯一のドライバーだ。それゆえ、ここで自身以上に勝ち方を知っているドライバーはいないと信じて、今季最後のグラベルイベントでの連覇に挑む。

 タナクは前回ラリー・チリが開催された2019年にここで優勝し、世界タイトル獲得に向けて歩を進めた。彼はまだ今年も栄冠への可能性を残しているとはいえ、ドライバーズ選手権トップのカッレ・ロヴァンペラからは81ポイントの遅れとなっているため、すでに状況は絶望的だ。

 それでもタナクはすべての準備を整えて週末の勝利に全力を尽くすつもりだ。

「今季最後のグラベルラリーだ。素晴らしいイベントだし、僕たちは過去に1回参戦し、1回優勝している」とタナクは語った。「しかし、多かれ少なかれ、また新しいイベントなので、どんなステージになるかはわからない。それにラリーの大半は今年も新しく、天候も大きく影響するようだからね」

「チリのステージはニュージーランドやウェールズの森で経験したものと非常に似ている。リズム的にはツイスティでスローなものから高速でスムースなものまで、あらゆる種類のステージがあった。新しい道は常にチャレンジングで、ノートを完璧にするためには特別な努力が必要だ」

「このイベントは欧州圏外で開催され、非常にユニークなものなので、マシンのセットアップを推測し、最初のステージのスタートに到着したときにすべての決定が正しいことを祈る必要がある!」

 タナクの今季唯一の勝利は、シーズン序盤に行われたラリー・スウェーデンの雪深いルーズな路面でのものだった。しかし、Mスポーツのフォード・プーマRally1ハイブリッドと2019年のワールドチャンピオンがこのような路面で高いポテンシャルを持つことは明らかであり、Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム代表のリチャード・ミルナーは、今年最後のグラベルラリーでチームがシーズン2勝目に挑むことができると確信している。

「チリのWRC復帰は、私たちが望んでいたよりも時間がかかってしまったが、きっと素晴らしい週末になると確信している。オイットとプーマの実力はわかっている。私はいつも、我々が勝利不可能なイベントはないと常々言ってきたが、今週のチリでもそれは確実に当てはまる」