WRC2019/06/18

2勝目逃した勝田貴元、「ひるまず前に進む」

(c)Toyota

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は、ラリー・イタリア・サルディニアでWRC2の勝利を目前にして最終日に火災のために無念のリタイアとなったが、彼はこの週末に得た自信を次のラリーに繋げ、次戦のラリー・フィンランドで勝利を狙うことを誓った。

地中海に浮かぶサルディニア島を舞台とするこのラリーは、島の西北部アルゲーロのサービスパークを中心に、4日間に渡り競技が行われました。サルディニア島のグラベル(未舗装路)ステージは全体的に道幅が狭く、木や石がすぐ側まで迫るため正確な運転が求められます。また、低速でテクニカルなステージとハイスピードなステージの両方があり、一部の路面は非常に荒れていました。さらに、気温も非常に高くクルマと選手にとって厳しいラリーとなりました。

 勝田は2017年に初めて出場したサルディニアでWRC2カテゴリーで初の表彰台となる3位でフィニッシュし、2018年も速さをみせたがパンクとメカニカルトラブルで惜しくも2年連続表彰台を逃している。

 勝田は3度目のサルディニア挑戦となった今年、ラリー開始直後から上位争いに参加。非常に高い気温の中で行われた金曜日は3位につけ、絶対に最後まで走り切るという、チームの方針が奏功し、土曜日の午前中に2位に浮上。さらに、最後のステージでWRC2首位に立つことになった。

 しかし、ラリー・チリに続く今季2回目の優勝の期待を背負ってスタートした日曜日、勝田は最初のステージを走り終えた後に、エキゾーストマニホールドの破損によりエンジンルームから出火。すぐに消火されたが、競技続行は不可能となり、残念ながらリタイアとなった。

「ラリーをリードしていたにもかかわらずリタイアとなり本当に残念ですし、このような結果はもちろん望んでいませんでした」と勝田は語った。

「非常に難しいコンディションだった今回のラリーで、金曜日、土曜日と全てが順調でした。最終日に問題が起きてしまいましたが、ラリーでは十分起こり得ることですし、ひるまず前に進まなければなりません。今回スピードはあったと思いますし、大きなミスもなく、走りをさらに改善できたので、以前よりも自信が深まったのはポジティブなことです。この自信を次のラリーに繋げ、次戦では優勝を目標に戦います」

 ヤルッコ・ミエッティネン(インストラクター)は次のようにコメントした。

「ラフなコンディションのこのラリーで、タカは本当に良い走りをしました。彼がもっと速く走れるのは分かっていましたが、問題が起きないように気をつけて走り、路面のコンディションが良いところでは速く走るというのが我々の計画でした。タカとダンはその戦略を完璧に遂行して首位に立ちましたが、それだけに最終日エキゾーストマニホールドの破損でリタイアとなってしまったのは、本当に残念です。しかし、ポジティブな面もあり、タカはここ数戦ドライビングミスをまったくしていません。もし、技術的な問題が起きなければ、彼は既にWRC 2で4回優勝していたはずです」

 勝田の次戦は、8月1日から4日にかけて開催される、WRC第9戦ラリー・フィンランドとなる。現在フィンランドに住んでいる勝田にとってホームイベントといえる1戦となり、勝田はこのラリーのWRC 2カテゴリーに、新型のフォード・フィエスタ R5で出場を予定している。