ERC2020/07/25

ERCがローマで開幕、待望のシーズンスタートへ

(c)ERC

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 ラリー・ディ・ローマ・カピターレは金曜日夕方にローマのサンタンジェロ城でセレモニアル・スタートが行われ、長らく開幕が待たされたヨーロッパ・ラリー選手権とイタリア選手権の2020年シーズンがキックオフすることになった。

 セレモニアルスタートは、ラリー・ディ・ローマ・カピターレと併催されるWRカーのための「ラリースターズ・ローマ・カピターレ」に出場するダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)を先頭にスタート、ピエール-ルイ・ルベー(ヒュンダイi20クーペWRC)、ペドロ(フォード・フィエスタWRC)が次々とスタートランプへと駆け上がる。

 そしてラリー・ディ・ローマ・カピターレのスタートポディウムには、この日の朝に行われた予選のトップであるジャンドメニコ・バッソ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が登場、カーナンバー1をつける彼は明日の土曜日のステージは2番手からのポジションでスタートすることを選んでホワイトボードに自らの名前を書き込むことになる。そして予選2位のアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)は3番手のポジションを選択、それに続くアンドレア・クルニョーラは(シトロエンC3 R5)は4番手を選ぶことになった。

 そして予選でミスをしながらもターマック初戦にもかかわらず4番手タイムを叩き出したオリヴァー・ソルベルグ)フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がコースオープナーとして1番手で走ることをチョイスする。

「ここからスタートして、ローマの最も美しく有名なモニュメントの近くでラリーカーを運転するのは信じられないことです。本当に素晴らしいスタートだ」とソルベルグは語った。「今回は僕にとって初めてのラリーになるので、トップ10になることができれば十分だ。経験を積んで、この素晴らしい道をできる限り学ぶことに集中したい」

 次々とスタートランプをあとにしたラリーカーは、バッソを先頭に警察車両に先導されながらローマ市街のコロッセオなど歴史的なモニュメントのまえをパレードして走行を行った後、サービスへと戻って土曜日の朝のスタートに備える。

 このスタートセレモニーに先立って行われたドライバーたちの記者会見は、いつものようにジャーナリストを前にして屋内で行われるのではなく、屋外で一人ずつがマスクを装着して行うスタイルで行われており、昨年のウィナーであるバッソは、さまざまな困難を乗り越えて開催にこぎ着けた主催者とラリースタッフたちをねぎらった。

「主催者やFIA、そして(取材している)みなさんが本当に良い仕事をしてくれている。世界中で起こっていることを考えると、スタートするのは簡単ではなかった。僕が見ている限りでは、すべてがうまくいっている。ラリーを観戦する観客がいないので、いつもとは違うが、ここまではすべてがうまくいっている」とバッソは語っている。

「勝利の鍵は常に他のドライバーよりもプッシュすることだ。コースは非常にテクニカルで、昨年は多くのドライバーがミスをしていたので、最初の1kmから最後の1kmまで集中力を切らさないようにしなければならない」

 ERCで5回の勝利を経験し、チームMRFタイヤから参戦するクレイグ・ブリーンは、空路が制限されるなか6月にテストのために陸路でアイルランドからイタリア入りして以降そのまま現地にとどまっていたので40度近い高温でも大丈夫だと明かし、新型コロナウイルスによるパンデミックで中断して以降、4カ月ぶりのシーズン再開を祝った。

「久しぶりにラリーを走ることができる喜びをみんなが感じているだろう。本当に素晴らしい雰囲気のラリーだ」とブリーンは語った。

「僕は2年前にはローマで観戦していたが、ここでのラリーは初めてなんだ。今回はMRFと一緒に新しいターマックタイヤを開発していているので、現実的に考えて、できる限りの開発に集中することになるだろう」

「外は40度だけど、僕は運がいいと思うよ。ここに来て2、3ヶ月になるからね。身体はこの高温に適応させることができたけど、タイヤにとっても厳しくなるだろう。それでもベストを尽くすつもりだよ」

 ラリー・ディ・ローマ・カピターレは土曜日の朝に行われる13.40kmのピコ・ステージから2日間にわたる競技がスタートする。