WRC2020/02/23

FIAラリースター誕生、世界規模で才能発掘へ

(c)FIA

 FIAは未知なる才能を発掘して、世界ラリー選手権への道を与えるための新しい育成スキームとなる「FIAラリースター」のローンチを正式に発表した。

 FIAラリースターは、17歳から25歳までの才能と将来のワールドチャンピオンになる可能性を秘めた若いドライバーを可能な限り広い裾野から見いだし、そのトレーニングと育成・開発のためのグローバルプログラムとなる。

 まず、FIAラリースターの初期の発掘については、FIAの144のメンバーである各国のASNにおいて若き才能を探すのための組織立ち上げが推奨される。候補となるのは17歳から25歳までの男性および女性となり、FIAラリースター・プログラムのパートナー企業のビデオゲーム、「モーターカーナ(=ジムカーナ)」、あるいはASN独自の発掘のためのメソッドを通じて最初の候補者が選出される。

 発掘プログラムの第2弾は、ヨーロッパ、中東と北アフリカ、アフリカ、アジア-パシフィック、南アメリカ、北米の6つの大陸において行われるファイナルツアーとなる。各ASNの候補者は、いずれかのファイナルレースにおいてXCクロスカーのタイム計測によって競い合い、それらの各ファイナルから1人ずつ、計6名のドライバーに加えて世界で最高の女性ドライバー1人が選ばれる。

 7名のドライバーには、1年間にわたって集中的なトレーニングやコーチング、さらにはテストセッションに参加する恩恵を受けるほか、Rally4マシンによる最低6戦の実戦に出場する機会が与えられる。このなかから有能なドライバー4人(うち1人は女性)が選ばれ、さらなる育成フェーズとしてFIAジュニアWRC選手権への参戦プログラムが用意される。

 ドライバーたちはジュニアWRC選手権での2年間のプログラムの間に勝利とタイトルを競い合うことを実証する必要があり、タイトルを獲得したFIAラリースター・ドライバーは翌年、Rally2マシンによってFIA WRC3選手権への出場権が褒賞として与えられる。
 
 FIAラリースター・プログラムは、6月中旬にタイで予定されるワールドモータースポーツカウンシル(MWSC)で正式にキックオフのアナウンスが行われることになっている。また、同プログラムは、初期段階ではFIAイノベーション基金(FIF)から賄われるが、FIAはこのプログラムを持続発展させるためにさらなるパートナーシップや投資を求めていくと説明している。

 FIAのジャン・トッド会長は次のように述べている。

「ラリードライバーの発掘については、ラリー・ジューヌの考えが基礎となっている。これにより、FFSAは、今日では誰もが知ることになるセバスチャン・ローブとセバスチャン・オジエという潜在的な可能性を探し出した。FIAイノベーション基金のおかげで、私たちは非常に野心的で革新的なプログラムに着手し、144のASNによって世界規模でこのプログラムが展開できることになった。FIAラリースターは、ラリードライバーになることを夢見る人々にとって素晴らしい機会になるはずだ」