WRC2019/06/08

Mスポーツ、新しいフィエスタR5を初公開

(c)M-Sport

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 Mスポーツは、最新のテクノロジーを結集した新しいフォード・フィエスタR5を発表した。2013年にデビューした最初のフィエスタR5は、イープル・ラリーでVIPカーとして初めて世界にお披露目されており、6年経ったいま、野望のニューマシンもふたたび同じ舞台でVIPカーとしてデビューする。

 フィエスタR5は2013年8月にFIAホモロゲーションを取得、これまでに250以上の競技で成功を収めているが、シュコダ・モータースポーツのファビアR5エボや最新のフォルクスワーゲン・ポロGTI R5に後塵を拝する場面も多くなってきたことから最新のアップデートが待望されていた。

 新しいフィエスタR5に搭載される1.6リッターの直噴式ターボエンジンは、R5規定に基づいて32mmのエアリストリクターを備え、最大出力290bhpと最大トルク475Nmを誇り、レスポンスとドライバビリティについて大きな向上を実現しているという。

 新しいフィエスタR5はサスペンションについても一新、レイガーの新しいダンパーはアルミ製のダンパーボディをもっており大幅な軽量化を実現、トラクションと安定性を最適化するためにジオメトリーも改良を受けており、新設計のサデフ製5速シーケンシャル・ギヤボックス、油圧サーボアシストによるラック・アンド・ピニオン式ステアリング、ブレンボ製のブレーキキャリパーを装備している。

 新しいフィエスタR5の設計と開発は2018年1月に始まり、最初のテストは昨年12月に行われた。それ以来、8人のドライバーがさまざまな路面のコンディションのなかで30日間以上のテストを完了している。

 新しいフィエスタR5の開発チームを率いたのは28歳のベルナルド・フェルナンデスだ。彼は2017年にチームでワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジエのエンジニアリングを担当しており、リチャード・クリステンセンが設計作業を担当した。

「これが私にとって初めての責任者を務めたプロジェクトだ。責任を負うことは挑戦であると同時に真に名誉なことだった」とフェルナンデスは語った。

「これまで旅だっていったフィエスタR5はとても成功を収めており、そして競技でも非常に頼りになるマシンだ。しかし、我々はこのマシンのあらゆる領域を見つめ直して改良するために我々の時間を費やしてきた」

 Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンは、このニューマシンがあらゆる分野でパフォーマンスの向上をもたらしたと語った。

「テストプログラムは広範囲に渡って行われており、このニューマシンがあらゆるレベルのドライバーにふさわしいことを確認するために開発に一生懸命取り組んできた。我々は文字通り世界を旅し、さまざまなコンディションと環境のもとでさまざまなドライバーによってこのマシンをテストしてきた。この新しいフィエスタR5は我々にとって非常に重要であり、どのような環境にも順応することが成功にとって極めて重要になる」

「我々は常に、本当の意欲をもって自分のしたいことへの情熱を示している若者たちに機会を与えてきた。ベルナルド(・フェルナンデス)はその好例だ。そして私自身もこのマシンを運転したので、彼と彼のチームが素晴らしい仕事をしたと約束できるよ」