APRC2022/03/28

NZの2戦はAPRC除外もファイナル資格を授与

(c)APRC

 2022年FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)は、シリーズ前半に予定されていたラリー・オタゴ(4/8〜10)とインターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイ(5/13〜15)のニュージーランドの2戦が渡航制限によってAPRCの予選ラウンドおよびパシフィック・カップから外れることになり(注:ニュージーランドは5月2日からの出入国の制限緩和を決定しているが、本決定がされる以前の2月中旬にAPRCのカレンダー除外申請が行われた)、6月に日本で行われるラリー・モントレーが正式にAPRCラウンドとして承認されたほか、新たに9月にインドネシアのスマトラ島北部で開催されるダナウ・トバ・ラリーが予選ラウンドに追加された全7戦で構成されることになった。

 APRCはこれまでどおりにファイナル・ラウンドでチャンピオンを決める方式で争われるが、APRC予選ラウンドが開催されないニュージーランドのドライバーにもファイナルへの進出資格を与えるなど、予選だけに頼らずに地域ごとのシンプルな選出方法によるものとなる。

 APRCはこれまでの2年、COVID-19の流行に伴う渡航制限やイベントのキャンセルが続き、タイトルが不成立となっていたが、国境規制が緩和されたことにより、2022年のファイナルを開催できる目処となった。

 APRCチャンピオンを決めるファイナル・ラウンドへの出場資格は、予選に1戦出場し、自国のモータースポーツ統括団体(ASN)から推薦された選手であることが条件となる。インド、ニュージーランド、日本、中国、オーストラリアからは、最大5人の選手をファイナル・ラウンドにノミネートすることが可能となる。

 APRCカレンダーから外れたニュージーランドについては、国内戦として開催されるラリー・オタゴとインターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイの2戦での獲得ポイントに基づき、ニュージーランドASNであるモータースポーツ・ニュージーランドがファイナリストを選出することになっている。その他の国からの参加者は、いずれかの予選ラウンドに出場する必要がある。
 
「COVID-19の制限に直面しているラウンドでも、これによりドライバーとチームが競技に参加できることが保証されることになった。これは競争の場を均等にするものだ」とAPRCワーキンググループの代表であるヴィッキー・チャンドックは述べている。

「各ラウンドの上位3位までが自動的にファイナルへ進出する権利が与えられ、残りの2人はその国のASNがワイルドカード方式で権利を授与する」

「また、世界的な貨物輸送の遅延により、ラウンド間の車両輸送の時間枠が非常に厳しくなっているが、こうした措置によってチームは自国のイベントで予選を通過した後、(ファイナルのための)1回の海外遠征に集中することができる」

 モータースポーツ・ニュージーランドのCEOであるエルトン・グーナンは次のように述べている。「COVID-19が我々に突きつけた困難にもかかわらず、ニュージーランドのドライバーがAPRCファイナルに出場するためのドアを開けておくことができ、非常にうれしく思っている。今年、ニュージーランドでAPRCやパシフィック・カップのイベントが開催されないことは残念だが、ASNを通じてファイナリストを選出することができることは幸いだ」

 APRC事務局によれば、ファイナル・ラウンドにノミネートされたチームに対して参戦費用として1チームあたり3,000NZドル(およそ26万円)を基金として提供する準備があるという。

 また、アジア・カップ、パシフィック・カップなどのカテゴリー別選手権も開催されるが、先に述べたようにニュージーランドの2ラウンドは渡航制限のため、リージョナルポイントの対象外となるため、パシフィック・カップはオーストラリアの2ラウンドで争われることになる。

■2022年APRCカレンダー
3/25〜27 サウス・インド・ラリー・チェンナイ(インド)A
6/10〜12 ラリー・モントレー(日本)A
9/10〜11 ラリー北海道(日本)A
9/23〜23 ダナウ・トバ・ラリー(インドネシア)A
10/22〜24 アデレード・ヒルズ・ラリー(オーストラリア)P
10/21〜23 ラリー・ロンユー・チャイナ(中国)A
11/25〜27 コフスコースト・ラリー(オーストラリア)P/Final

A=アジア・カップ、P=パシフィック・カップ、Final=ファイナル