ラリー・チリ・ビオビオでオリヴァー・ソルベルグが優勝すればWRC2のチャンピオンに輝く予定だったが、土曜日のタイヤトラブルで4位に終わったため、タイトル争いは史上類がないほどの混戦となっている。
ソルベルグは現在、123ポイントでランキング首位をキープ、選手権2位のヨアン・ロッセルに12ポイント差をつけている。 しかし、ソルベルグは規定で認められたシーズン7戦の出場を完了しており、これ以上ポイントを伸ばすことはできない。
ロッセルは、ソルベルグが不運に見舞われたチリで今季2勝目を飾り、タイトル争いでソルベルグを脅かす存在の一人となった。今月末に開催されるセントラル・ヨーロッパ・ラリーでロッセルが優勝した場合には、126ポイントを獲得して選手権をリードすることになる。
このイベントにはソルベルグも参戦するが、もちろんWRC2にノミネートしていないソルベルグがロッセルの順位を阻むことはできない。しかし、ロッセルが2位ならば119ポイントにとどまるためソルベルグには届かない計算だ。
それよりも、ソルベルグにとって最大の脅威となるのがサミ・パヤリだ。パヤリは現在、108ポイントしか獲得していないが、シーズン最終ラウンドのラリー・ジャパンで優勝すれば133ポイントまでポイントを伸ばし、無条件でチャンピオンを決めることが可能となる。
もし、パヤリがジャパンで2位の場合は126ポイントを獲得し、ソルベルグを抜くことはできるが、ロッセルがセントラル・ヨーロッパで優勝した場合、ロッセルと同ポイントでシーズンを終えることになる。
選手権のデッドヒートの場合のタイトルは勝利数で争い、それでも決まらなければ2位の回数、さらに3 位の回数勝負となる。パヤリとロッセルは、ポイント対象となったイベントにおいてともに優勝回数3回/2位2回/3位1回で並び、これまでの選手権のデッドヒートのルールではチャンピオンを決まらない。その場合、新たに追加された選手権のデッドヒートのルールに従い、二人とも参戦したイベントでの優勝回数での勝負となり、対戦2戦のうち2勝を飾ったパヤリが選手権上位と判断されてチャンピオンとなる。
もしロッセルがセントラル・ヨーロッパで2位以下となった場合には、タイトル候補はソルベルグとパヤリに絞られ、パヤリはジャパンで2位以上でチャンピオンになることができる。
しかし、パヤリがジャパンで3位の場合は、123ポイントでソルベルグと同ポイントで並ぶことになるため、ここでも選手権のデッドヒートのルールに従うことになるが、二人はともに優勝回数3回で並ぶものの、2位の回数で上回るソルベルグ(=2回、パヤリ1回)がチャンピオンとなる。