WRC2021/09/13

WRC3優勝のロッセルが部品の規定違反で失格

(c)Santeroc Racing


 ヨアン・ロッセルは、アクロポリス・ラリー・ギリシャのWRC3で優勝してチャンピオンシップのリードを広げたが、ラリー後の車検でフロントサブフレームの規定違反によって失格となり、カイエタン・カイエタノヴィッチが今季3勝目を飾ることになった。

 アクロポリス・ラリーのスチュワードによると、イベント後の車検で、ロッセルのシトロエンC3 Rally2のフロントサブフレームの重量が12,950gと計測ホモロゲーションペーパーに記載される重量は12,245gで、許容誤差は+ 5 / -2パーセントのため、許容範囲内の最大重量である12,857.25gを超えていた。

 ロッセルのマシンのサブフレームは、6月に開催されたラリー・イタリア・サルデニアでも重量超過が指摘されており、シトロエン・レーシングには3万ユーロの罰金が科せられ、そのうち1万5,000ユーロは、シーズン終了までに同様の違反行為を行わないことを条件に執行猶予が与えられていた。

 ロッセルのマシンを走らせるサンテロック・レーシングのチームマネージャーのヴァンサン・デュシェはスチュワードミーティングに召喚され、ギリシャで使用されたサブフレームがイタリアラウンド後に新品未使用のスペアパーツとして2回計測され、重量制限内であったと報告したが、同じ部品がなぜ今、重量オーバーになったのか説明できなかった。

 スチュワードの決定書によると、サンテロック・レーシングはラリー・イタリア・サルディニアの後、すべてのサブフレームをチェックしたが、3つのサブフレームがホモロゲーションに適合しないことが判明し、サプライヤーに送り返したが、ギリシャで使用されたサブフレームは、イタリアで計測された重量表示を信頼し、重量が許容範囲内であると信用して再チェックを行わないまま使用したという。 

 シトロエン・レーシングのエンジニア、ダミアン・アルボニエによると、フランスの会社はサブフレームのサプライヤーに対して、問題の再発を防ぐためにサルディニア以降はカスタマーに部品を送る前にすべての製品の重量を測るように指示していると説明している。

 スチュワードは部品がホモロゲーションに適合しているかどうかを確認するのは競技者の責任であると判断、それを怠ったとしてロッセルの失格を言い渡している。

 ロッセルはこの決定について上訴の意思を表明しており、この問題は今後数週間以内に行われるFIA公聴会で解決されることになる。

 また、ロッセルのリアブレーキ冷却ファンについてもホモロゲーション・フォームに適合していないことが判明したため、シトロエン・レーシングには30,000ユーロの罰金を科されている。罰金のうち25,000ユーロは、12ヶ月以内に同様の違反行為を行わないことを条件に執行猶予となった。