2023年のダカール・ラリーは、1月1日に最初のステージが行われ、チーム・アウディ・モータースポーツのカルロス・サインツ(アウディ RS Q e-tron E2 T1-U)がラリーをリードした。
前日のプロローグのあと、ダカールのオープニングステージは、対照的な厳しさとなった。シーキャンプを周回する第1ステージは、最初は海沿いを走り、その後、厳しい岩場と砂漠が混在する368kmのコースとなる。
ダカール初日に速さをみせたのは、土曜日のプロローグで勝利したマティアス・エクストローム(アウディ RS Q e-tron E2 T1-U)だった。彼は、オープニングウェイポイントでダカール優勝者のナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRハイラックスDKR T1+)に10秒以上の差をつける最速タイムでラリーをリードした。
2016年の世界ラリークロス選手権チャンピオンであるエクストロームは、その後もリードを広げ、ミッドポイントで2位へと浮上したバーレーン・レイド・エクストレームのセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+)をおよそ2分もの大差を築くことに成功する。
ローブはさらに追撃を開始、その差を1分弱まで縮めたが、エクストロームの勢いを止めることはできないかに思われた。しかし、最後のウェイポイントでは、エクストロームが32km地点でパンク、ローブを抜いたサインツがラリーを先行し、エクストロームは3位に後退することになった。
ダカールで4度の優勝経験を持つサインツは、序盤のパンクによって最初のウェイポイントではトップから4分近く遅れたが、砂丘のセクションで速さをみせて、最終的にローブに23秒差をつけてステージ勝利を飾っている。「スタートでパンクした以外は、すべて順調だった。それ以降は何の問題もなく、クルマも素晴らしい動きだった。明日はどのようなアプローチを取るか考えたい」
23秒差の2位につけるローブは慎重なペースでスタート初日を迎えることが重要だったと語った。「スタート地点に大きな岩があったので、パンクしないように冷静に行ったんだ。その後はペースを上げながら走り、ナビゲーションで1分ほどロスしたはずだが、それほどでもなかったようだね。明日は2番手スタートなので、必ずしも攻めやすい位置とは言えないが、ベストを尽くすよ」
エクストロームは33秒差の3位でゴールをしたかに見えたが、ウェイポイントのミスを指摘されてしまい15分のペナルティを課され、13位まで後退してしまった。
オーバードライブレーシングのヤジード・アル-ラジは(トヨタ・ハイラックス)がトップから1分59秒差の3位で健闘、GCKモータースポーツのゲラン・シシェリ(ハンターT1+)がさらに2秒遅れの4位、BRXのオルランド・テラノヴァ(BRXハンターT1+)がトップから7分遅れの5位で続いている。
ディフェンディング・ウィナーのアル-アッティーヤは首位のサインツのペースから7分17秒遅れの6位にとどまっているが、今後の展開にとって悪くないスタートだと彼は分析している。「重要なのは第3ステージだ。明日のステージ勝利を狙うという意味では、悪くない結果だと思う」
ダカール歴代最多の優勝を誇るステファン・ペテランセル(アウディ RS Q e-tron E2 T1-U)はパンクによってスペア2本を使い果たし、チームメイトのサインツから8分54秒もの差をつけられての8位のスタートとなっている。