WRC2024/05/02

トヨタ、ノンハイブリッドRally1の試験を認める

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、2025年に導入が検討されるノンハイブリッドのRally1カーを試験的に走行テストしたことを認めた。

 FIAのWRCワーキンググループは2月、2025年のRally1カーはハイブリッドを廃止し、リヤウィングを小さくするほか、リストリクターを縮小するとしたルール変更案を提出したが、WRCの主要チームはそれに満足していない。

 FIAとチームは来シーズンのマシンの技術的な決定をめぐっていまのところ合意を得てはいないものの、WRCワーキンググループの提案が6月に正式承認されたあとで新シーズンに向けた準備を行うには時間がなさすぎるとの指摘がなされている。

 先日のクロアチア・ラリーの前に行われたエルフィン・エヴァンスのテストデーでは、トヨタGRヤリスRally1にRally2カーの小さなリヤウイングが装着されえ、ハイブリッドユニットのエアインテークがふさがれた状態での走行が目撃されている。

 エヴァンスはこのテストについてクロアチアで質問された際、当初はこの話題には口を閉ざしたものの、チームの許可が出たことから、2025年に向けた実験的なマシンの印象について語っている。

「テストのある時点で、僕はかなり遅かった。(ハイブリッドユニットなしで、リヤウイングも小さかったのだから)それは予想通りだった。走行可能だったかと聞かれれば、そうだったと答えるが、あまりエキサイティングではなかったと言える」

 チーム代表のラトバラは、トヨタが今回のテストから学んだことは何かと尋ねられて次のように答えた。

「我々はそれがどれほど困難な作業になるのか、早く知る必要があった。Rally1カーのリヤスポイラーを取り外し、小さなものを装着するというのは、そう簡単なことではない」とラトバラは語っている。

「Rally1カーの開発方法について考えてみると、すべての空力はリヤスポイラーに向けて設計されており、マシンの側面が空気の流れの中でリヤスポイラーに結びついていることがわかる。そうなるとマシンは、必ずしも設計されたように機能するとは限らない」

「これらの変更は2026年までの一時的な暫定的な仕様となるにもかかわらず、すべてが導入されることが決まったたら、膨大な作業とテストが必要だ。つまり、2025年はあまり大きく変えないようにする方が、誰にとってもずっと簡単だ」