10月31日までドイツ国内での大規模イベント禁止の措置を延長するというドイツ政府の決定によって、10月15-18日に開催が予定されるラリー・ドイッチュランドの前には暗雲が立ちこめている。ドイツ自動車連盟(ADAC)は解決策を見つけるために政府との話し合いを行っている模様だ。
世界ラリー選手権は新型コロナウイルスの流行によってすでに今季の5戦のラウンドがキャンセルとなっているが、9月のラリー・トルコの開催が疑問視されるなかで、これまでのところ10月のラリー・ドイッチュランドは本来のカレンダーのなかではシーズン再開のもっとも有力な候補となっていた。
しかし、ドイツでは先週、食肉加工工場において新型コロナウイルスの集団感染が発生し、第二波への懸念からアンゲラ・メルケル首相は大規模イベントについて10月まで開催についての規制を延期することを発表したことから、ラリー・ドイッチュランドまでもがキャンセルされる恐れがでてきた。
ラリー・ドイチュラントの主催者であるADACは、開催を実現させるために早急に解決策を見つけなければならないと語っている。
「当局と調整しながら、10月15日から18日までのWRCラウンドがどのような条件でなら観客参加型として開催できるかを確認しているところだ」
「すべての選択肢を検討し、既存の接触制限と衛生規則の遵守を条件に、ラリーに向けたコンセプトを策定する。すべての場面において、参加者・観客の安全を最優先に考えていくつもりだ」
ラリー・ドイッチュランドの開催が危ぶまれていることから、すでにWRCプロモーターはドイツと同じ週末にスイスで開催されるラリー・インターナショナル・デュ・ヴァレーとWRC開催の可能性について話し合いをもっているようだ。