WRC2022/04/25

「OKサイン」なくても走り去ったヌーヴィル

(c)Hyundai

 クロアチアの土曜日の朝、SS9のキャンセルの原因となったオリヴァー・ソルベルグのクラッシュが発生した際、後続のティエリー・ヌーヴィルが「OKサイン」を確認しないまま走り去ったという報告がなされたが、スチュワードはソルベルグのコドライバーであるエリオット・エドモンソンが親指を立ててサインを示していたことを認め、ヌーヴィルが安全義務違反したわけではなかったとしてペナルティを科さないことを決定した。

 WRC競技規則第53条では、クラッシュしたマシンのクルーは、GPSシステムと連動しているFIA安全追跡装置の「OK」表示をマシンが停止した後、1分以内に作動させ、後続車に対しては「OKサイン」を掲示することを安全上の観点から義務付けている。また、後続車は、ストップしたマシンに「OKサイン」の表示がない場合にはクルーの安全等を確認するためマシンを止めることを義務づけられており、違反した場合にはペナルティが課されることになっている。

 スチュワードによれば、ヌーヴィルのオンボードカメラの映像によってエドモンソンが指によってサインを示していることが確認されたとして、ヌーヴィルとマルテイン・ウィダーゲへのペナルティについては科さないことを決定している。

 また「OKサイン」を表示しなかったことで、ソルベルグにも安全義務違反の疑いがあったが、エドモンソンはクラッシュしたマシンからは煙が出ており、火災が発生する恐れがあることからマシンを離れたために、サインボードの表示ができなかったとして、指のサインによってヌーヴィルにクルーが安全であることを表示したと説明している。スチュワードはこの主張を認め、ソルベルグとエドモンドソンにもペナルティを科さなかった。