Raid2020/12/15

アウディ、Qモータースポーツと連携でダカールへ

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 アウディは、2022年のダカール・ラリーデビューに向けて、現・Xレイド・チーム代表であるスヴェン・クアント(写真中央)が率いるQモータースポーツGmbHと提携することを発表した。

 アウディは先月末、モータースポーツ活動の大規模な再編により、来シーズン末にフォーミュラEの主要プログラムから撤退し、伝統的なラリーレイドにファクトリーの参戦プログラムを集中させることを発表しており、このほど電動プロトタイプマシンとともに2022年にダカール・ラリーに初参戦するためのプロジェクトのパートナーとしてドイツのトレブールに拠点を置くQモータースポーツを選んだことを明らかにした。

 Qモータースポーツは、クアントと彼の2人の息子トーマスとトビアスによって今年設立され、ダカール・プロジェクトのためのアウディのファクトリーチームとなる。トレブールには、すでにMINIのためのダカール参戦チームであるXレイドの本拠があるが、クアントはQモータースポーツは組織としてはXレイドと独立しているものの、同じスポーツを戦うため企業としての連携を行いながら開発を進めると語っている。

「Qモータースポーツは、Xレイドとは独立し、また並行して、クロスカントリーモータースポーツの新境地を開拓したいと考えている」とクアントは語った。

「世界は変化しており、ダカールもまた、それが持続可能で、前進し続けることができることを証明しなければならない。これこそが、まさにQモータースポーツがアウディとともに証明したいことだ」

 新たにアウディのモータースポーツ部門の責任者に任命されたユリウス・ゼーバッハは、ブランドの新しいオフロードプロジェクトのリーダーにクアントを選んだことで、ダカールの分野で試行錯誤を重ねてきた専門家の知識を取り入れることができると付け加えた。

「Qモータースポーツと協力することは、長年にわたりアウディが実証してきた我々の哲学を貫いている」とゼーバッハは語った。

「革新的なドライブトレインコンセプトを持つダカール・プロトタイプの開発は、社内で行われる。我々は経験豊富なパートナーと一緒にレースに挑む。Qモータースポーツチームは、クロスカントリーモータースポーツから得た膨大な量の具体的な経験をもって貢献している」

 クアントは三菱自動車のモータースポーツ部門の責任者を兼任していた2002年にXレイドチームを設立した。チームは現在、MINIジョン・クーパー・ワークスのダカール・チームを運営しており、カルロス・サインツ、ルーカス・クルスと共に2020年のダカール・イベントで優勝している。

 クアントのダカールにおける経験は、チームマネジメントだけにとどまらない。優秀なドライバーでありコドライバーでもあったクアントは1998年にGECOレイドチームから三菱パジェロでFIAクロスカントリーカップのT1カテゴリーを制しており、同年のパリ・ダカールでもGECOレイドチームがトップ3を独占した。

 Xレイドは来月のダカール・ラリーには6台のMINIとともに参戦する予定だ。サインツとクルスに加わり、ステファン・ペテランセルとエドゥアール・ブーランジェのペアがMINI JCWバギーで参戦する。MINI JCWラリーは、オーランド・テラノバとロニー・グロー、ウラジーミル・ワシリエフとドミトリー・ツィロ、ビクトル・ホロシャブセフとアントン・ニコラエフの4台。

 アウディのライバルであるBMWが所有するMINIが、2022年以降も引き続きXレイドの傘下でダカールに参戦するかどうかはまだ明らかにされていない。