WRC2019/05/17

アダモ、チームの危機を救ったローブに感謝

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのチームディレクター、アンドレア・アダモは、ラリー・チリにおけるセバスチャン・ローブの全盛期を思わせるパフォーマンスにチームが心打たれたと語った。

 アルゼンチンで今季初表彰台を達成したアンドレアス・ミケルセンもトリッキーなステージでペースアップの決め手を欠き、ティエリー・ヌーヴィルが大きなアクシデントでラリーを終えるという予期せぬ事態が起った先週のラリー・チリで、ヒュンダイはマニュファクチャラー選手権のリードを失う可能性すらあったが、ローブがセバスチャン・オジエとの素晴らしいバトルの末にチームに移籍後、初のポディウムを達成したことで選手権のリードをキープすることに成功することになった。

 アダモは、ローブがヒュンダイ加入後にわずか1日しかグラベルでテストをできなかったにもかかわらず、難しいコンディションのなかでじわじわとペースを掴んで秀逸なレースマネージメントをみせた9度のワールドチャンピンのラリーに心底感激したと語った。

「セバスチャン(・ローブ)とダニエル(・エレナ)は今週末、素晴らしい仕事をし、ヒュンダイ・モータースポーツのクルーとなってから初めての表彰台に上がった。彼らは週末を通して、彼らの最盛期を連想させるようなパフォーマンスレベルで我々を若返らせた」

「我々はワールドチャンピンがこの週末にみせたラリーに心底感激している。私は彼がけっして満足できるテストのチャンスをチームとして用意できたわけではないことを理解しているし、トリッキーなコンディションでのスタートもけっしてよかったわけではなかった。彼は素晴らしいペースを見せて、この結果を成し遂げ、我々のチャンピオンシップの望みを繋いでくれた。ティエリーとニコラスのクラッシュを考えれば、そこから想定されるよりも現状が悪くないことは確かだ。ダメージを最小限に抑えることができたのは彼らのおかげだし、二人に感謝しているよ」

 アダモは、ローブがヒュンダイに加入して以降、チームに貢献したことはポイントだけではないと認めている。

「今シーズン、セブとダニエルがチームに加わってくれると発表したとき、多くの人が彼がヒュンダイに何をもたらすのかということを聞いてきた。私はいま、彼らがチームにもたらしたのは選手権のポイントだけでなく、チームにやる気を起こさせたことだと言いたい」とアダモは語った。

「彼らにはこのようなチャレンジをふたたびする必要はなかった。彼が望むなら、家にいることができたからね。しかし、彼はここに来て必死になって自らをさらに高め、以前とは異なるラリーへのアプローチを若いドライバーたちから学び、チームをサポートするために懸命に働いている。私はそのことに感銘を受けているのだ。9回もワールドチャンピオンを獲得した男が自身を疑ってさらに改善しようとする意思をみせているなら、我々はもっと改善しなければならないことを思い知らされる」