WRC2018/11/19

オジエ、「マルコムとチームとの冒険を忘れない」

(c)M-Sport

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 アップダウンの激しいシーズンを象徴するような週末となったラリー・オーストラリアは、タイトルを争ってきたライバルたちの壮絶なリタイアで決することになり、セバスチャン・オジエは6年連続のワールドチャンピオンに輝くことになった。

 タイトルを決めたオジエとジュリアン・イングラシアに駆け寄ったMスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、うまく祝福の言葉を発することができないくらいに感情がたかぶって顔がゆがんでいた。

 オジエはこれほど素晴らしいタイトルを獲得した最高の瞬間に2年間の冒険を終えてチームを去ることを心苦しく感じながらも、最良の形でさよならを言うことができたと語った。

―セバスチャン、このラリーでタイトルを獲得する可能性を持っていたドライバーは3人いましたが、あなたがその栄冠を手にしました。6度目の世界タイトル獲得です。どんな気持ちですか?

セバスチャン・オジエ:「僕が超ハッピーで選手権に満足しているという答えを期待しているだろう。本当に激しいシーズンだった。僕たちの勝利が確定したのは、本当にラリーの最終ステージが迫っている時だったので、もちろんプレッシャーは高かった。しかし決まった瞬間は、少し奇妙だった。オイット(・タナク)がストップしたとき、僕たちはロードセクションにいて、時間が数秒止まったように感じた。そしてようやくホッとした。この戦いは僕たちにとって間違いなく最も厳しかったが、それを達成することができた。素晴らしい気分だ」

―あなたはずっと冷静でしたが、それが今週末の鍵となりましたか?

オジエ:「僕たちが週末全体を通してやったことは、まさにそれだと思う。僕たちはミスをしなかった。他のドライバーはいくつかミスを犯し、それでリタイアに至ったドライバーもいるが、僕たちが今週末チャンピオンシップを勝てたのは、この戦い方のおかげだ。今季は順位の変動が激しく、僕たちも何度か順位を下げた。シーズン中盤、どういうわけか運を欠き、小さなミスを犯し、雲行きが険しかった。しかし、僕たちは決して戦いをあきらめなかった。GBは大きなポイントを得られたので非常に重要な勝利となった。そして今季の終盤のラリーを良い成績で終えられた。僕たちが達成できたことは、チームの皆、そして特にマルコム(・ウィルソン・)のために、とても嬉しいよ。彼らは再びタイトルを獲るのに相応しかったし、僕のキャリアにおいて、彼らほどのコミットメントはほとんど見たことがない。ここをサヨナラすることは、僕にとって非常に心苦しいと言わなければならないが、それはまるで・・・愛する女性の元を去るようなものだ。なぜ人間はそういうことをするのだろうね? 過去2年間、僕たちはともにすべてのことを達成してきたのに、なぜ今なのだろう。しかし、新たなエキサイティングな冒険が僕たちを持ち受けている。そして僕はこの冒険も楽しみにしている。少なくとも、僕たちは最良の形でさよならを言うことができた」

―マルコムと強い絆を結んできましたね・・・

オジエ:「もちろん僕はこれまでに何度か、僕たちが共有してきたこの偉大なヒューマンドラマについて言及してきた。それはマルコムとの冒険だが、それ以上に、チーム全体との冒険だ。僕たちはこれをずっと忘れない。そして振り返った時、それはいつも僕たちの記憶の中で特別なものになるだろう・・・そして、僕たちは美味しいワインが飲めるだろうね!」

―ジュリアン、6度目のコドライバーズタイトル獲得、おめでとうございます。このタイトルは、どんな位置づけですか?

ジュリアン・イングラシア:「すべてのタイトルが大好きな子供たちのようなもので、選択することは難しい。1つを選ぶことはできない。僕たちは2年間、美しい旅をしてきた。それはヒューマンドラマだった。僕たちは一緒に旅をしてきて、今夜これを楽しむことができる。このラリーはシーズン全体と同じで、上がったり下がったりだった。1時間の内に、上がったと思えば下がったりだった。このラリーに来たとき、僕たちは2つの約束を持っていた。セブがマルコムに、僕たちは勝利してチームを幸せにして去り・・・そしてシトロエンにナンバーワンを持っていくと言ったんだ」

―プレッシャーがたくさんありました。今日のノートを読み上げる作業は、疲れましたか?

イングラシア:「今夜祝う気力は少し残っているが、明日については分からない。しかし、コックピットでセブの隣に乗る機会を持ったことがある人は、僕が言っていることが分かると思う。コドライバーというのは不思議な仕事だ。達成するために多くの仕事があり、ほんの小さなミスであっても代償を支払うことになる。ステアリングホイールは持たないが、アドレナリンが出て、彼に情報を与えたくなるんだ。特に木々の間を時速160キロでかっ飛ばした後にスローコーナーが持っている時はね。これは特別な仕事だ。そして一度乗れば、それが理解できてくると思う」

―あなたがチームの皆と一緒にいる姿をよく見掛けました。キッチンでも!

イングラシア:「僕たちがフランス人だということを忘れないでくれ。食べ物は僕たちにとって非常に重要だ!」

オジエ:「これは彼がフランスのチームに戻りたいもう一つの理由だよ!」

イングラシア:「(プレスの)皆さんと同じで、ラリーはそんなに大勢で来るわけではないので、(キッチンの皆とも)知り合いだし、少しでも時間を共有するのは素晴らしいことだが、たくさん時間をとることは非常に難しい。しかし、僕たちはいくつか良い思い出を作ったよ」