WRC2020/07/31

オジエ、TGRルマン・カーをシミュレーター体験

(c)TGR

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 セバスチャン・オジエは、トヨタGAZOOレーシング・ヨーロッパ(TGR-E)においてルマンで使用するTS050のリアルなシミュレーターを2日間にわたって体験した。

 このシミュレーターは、TGR-Eが専用開発した最新のエンジニアリングツールで、様々なサーキットのコースコンディションにおける車両性能を詳細に再現することが可能であると同時にバーチャル環境での正確な運転体験が可能となる。

 ケルンのTGR-Eを訪れたオジエは、バーチャルであったもののTS050のステアリングを握ったことで、以前からの夢だったルマン24時間レースへの挑戦により近づくことができたと感じたようだ。

「すごく新鮮で面白い体験だったよ。ルマンに参戦することは僕の夢の一つだけど、この2日間は本当にいい体験ができたよ。シミュレーターのいいところはトラブルに至らずに限界までプッシュできること、そうしたドライビングで発見することができたのは非常に興味深いものだった」

 オジエは、どんどんドライビングが進化していくのを感じとり、いつか本当のルマンに挑戦できる日が実現することを願っていると語った。

「もちろん、最初は慣れないし簡単ではなかったと。シミュレーターでは現実にどんどん近くなってきてはいるものの、Gフォースが存在しないところでは、ホイールをロックさせルことになっても、得られるフィードバックについては、現実で走るのに比べて欠けている。そういう部分で最初は限界がどこなのかを感じ取ることが困難だった。特にラリーカーとはまた違っていることもあってそれについては僕にもう少し時間が必要だと思う。でも自分の進歩には満足している、走るたびにどんどん速くなって嬉しかったよ」

「唯一共通していることはターゲットがAからBまでの距離で設定されていることくらいでそれ以外は異なる点が多い。それでも結局レーシング・ドライバーとしてはこうした新しい挑戦や何か新しいものに適応させていくことが好きなんだなと思う、特にラリー・ドライバーが資質の一つとして進化させてきたのは、新しいものに対する適応力だ。またいつか本物に挑戦できる機会があれはもっともっとエキサイティングなものになるに違いない」

 オジエはサーキットにおけるドライビングの進化を感じつつも、いまはラリーに集中し、ルマンへの挑戦は将来にとっておきたいと語った。

「もちろんエンジニアたちと仕事をする感じは普段とそんなに変わらないが、サーキットはデータの使い方に関しては全然違って、ずっと細かなディテールに及んでいる。それはラリーの場合と異なり、サーキットでは各コーナーを何度もリピードするからなのかもしれない」

「その点ラリーではデータの読み取り方が少し違ってくる。それは自分のドライビングスタイルにおいて、もう少しプッシュすることができるかということも学ぶことができるし、またラリーでは時に実際にデータを見ないで、自分のフィードバックを信じることも必要になってくる。だから自分のドライビング・スキルを総合的に進化させていくためには非常に興味深いと思うよ」

「今後については今のところまだラリーを考えている、だから、WRCでまたシーズンをリスタートさせることを楽しみにしているし、もっと勝利して、またタイトル目指して戦っていきたいと思っている。ルマンでの将来のことはその次に考えることができたらいい」