WRC2020/06/30

オーストラリア、コフスハーバーに留まる可能性?

(c)Hyundai

 2021年のラリー・オーストラリアの開催地を巡ってさまざまな憶測を呼んでいるが、モータースポーツ・オーストラリアはこれまでどおりにコフスハーバーに留まる可能性を否定していない。

 コフスハーバーに関しては、FIAもWRCプロモーターも当初から町が小さく、シドニー、ゴールドコースト、ブリスベンといった人口密集地から離れ過ぎていることを批判しており、今季、ローテーションでカレンダーから外れたのは新しい開催地への移転準備のためだと考えられてきた。

 先日行われたFIAワールドモータースポーツカウンシルにおいて、ラリー・オーストラリアを含んだ2021年のWRCカレンダーが承認されたが、その決定には新しい開催地であることと同じ主催者が運営することを条件とした但し書きが付されている。

 昨年発生したニューサウスウェールズでの山林火災によって11月に予定されたラリー・オーストラリアは開催中止に追い込まれたが、それまで8年間、サービスパークとしてのふさわしいかどうか意見が二極化していたコフスハーバーにとっての悲劇的な幕引きとなると受け止めてられていた。

 オーストラリアのニュースサイトはすでにコフスハーバーでは来季の世界ラリー選手権を開催することはないと報道しており、すでに新しい開催地としてはシドニーから200kmほど離れた西部に位置するバサーストのマウント・パノラマ・サーキットを新たな拠点とするという憶測も飛び交っている。

 しかし、オーストラリア・モータースポーツ連盟のディレクターを務めるマイケル・スミスは、2011年からラリー・オーストラリアのベースとなってきたコフスハーバーが正式に外されているのかと問われると、「いや、まったくそういうことは言っていない」として、その可能性を除外していないかのような曖昧に答えている。

「この件についてはまだ、政府パートナーやWRCプロモーターとともに取り組んでいるところではあるが、開催地については次の数週間のうちに発表できるようになることを期待している」

「分かってほしい、(我々のプランを)あなた方ともぜひ共有したいところだが、とにかくこの場で私に言えることは、カレンダーに復帰することができたことを本当に嬉しく思っているということだけだ。(イベントの中止に至った)昨年の山火事によって起こってしまったことに我々は本当に悲痛な思いだった。コフスハーバー地域は深刻な打撃を受けることになってしまったからね」

 スミスは、タスマン海の向こう側で今季開催される予定だったラリー・ニュージーランドが新型コロナウイルスでキャンセルに至ったことに同情的だが、それでもオーストラリアとしては隣国のローテーション計画を考慮するほどの余裕はないようだ。

「ローテーション戦略をうまく機能させることが非常に困難であることは以前にも明らかになっている。これほどのイベントとなれば、大人数を雇い、1つのイベントを開催するための彼らを雇ったとしてその次の年には開催しないという状況になれば、スポンサーや放送パートナー、そして政府のパートナーの継続に関しての問題や課題を伴うことになる。実質的な意味においてこうしたことをうまく機能させることが難しいということは過去に明白になっている」