WRC2024/09/06

ギリシャはかつてないほど過酷なステージへ

(c)Acropolis Rally

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(c)Toyota

 アクロポリス・ラリー・ギリシャのスタートを前に、レッキを終えたドライバーたちは、かつて経験してきたことのない厳しい戦いになると語っている。

 アクロポリス・ラリーはかつてシーズンの中でも最も荒れたラリーのひとつという評判が定着してきた。しかし、8年ぶりにWRCに復活した2021年、ギリシャ政府の強力な支援によってコースが全域にわたって整備され、まるでラリー・デ・ポルトガルのようなソフトグラベルの路面のステージへと生まれ変わっていた。

 だが、そのときの土木工事で運ばれた土は年月を経るうちに幾度もの嵐によってすでにすっかり流され、コースは川が流れた痕跡を示すように岩だらけの轍やバンプが生まれ、いたるところに巨大な岩盤や空いた穴を埋めたルースな岩が露出して罠となっている。

 選手権リーダーとして1番手でコースを走るティエリー・ヌーヴィルは、ルースストーンの多さが特に危険だと感じており、昨年よりも難しく、厳しいラリーになると予想している。

「ステージはとても荒れていて、いたるところがルースストーンで覆われていた。クルマにもタイヤにも厳しいだろう。石がたくさんあるので、ラジエーターやウォーターパイプ、ステアリングなどにダメージを与えやすい。全体的に例年に比べてステージ幅が狭く、僕らにとってはチャレンジになるだろう。昨年よりも難しく、厳しいラリーになると予想している」

 2011年の勝者であり、これまでに6度の参戦経験をもつセバスチャン・オジエは、今年のアクロポリス・ラリーがこれまで知っているなかで最も荒れたラリーであると語った。

「正直なところ、アクロポリス・ラリーでこれほど荒れたコースは見たことがない。路面も悪く、誰にとってもタフな3日間になるだろう。ここ数年のコースよりも一段とラフだ。もしかしたら主催者は、僕たちが最近『以前ほど荒れていない』と言っていることに少し腹を立てたのかもしれないね」

 オイット・タナクは、アクロポリスではペースノートにはない石が待ち構えているだろうと警告した。

「少なくとも今年はステージが乾いている! 昨年に比べてラリーは遅くなるだろう。道には石がたくさんあるからね。それにルースな石が潜んでいることもある。ここはギリシャだということを忘れてはならない」

 アドリアン・フルモーはRally1カーでの初めてのギリシャとなるが、過去2度の参戦経験をもち、堅実なアプローチが必要となると語っている。「今年の大きな違いは、ステージが乾いていること。ルートは狭く、厳しいが、タフでもある。新しいステージもいくつかあり、全体的に昨年より遅い。ポルトガルやサルディニアよりもタフだし、場所によっては例年以上に荒れており、サファリよりもタフだ! タフな週末になりそうだ。賢くなければならない」

 過去2年、ギリシャで6位となっている勝田貴元もこれまでよりもコースは確実に荒れていると語っている。「ラリーは以前より確実に荒れています。コンディションは理想的ではありません。僕らの場合、スタート順は有利ですが、道路には石も多いでしょう。とにかく生き残ることが最優先となる。様子を見ていこう」

 ダニエル・ソルドは過去9度出場した経験をもち、2023年と2022年には3位、2013年には2位の表彰台を獲得しているが、そのような経験豊富な彼でさえ本当に今年は厳しいラリーになると予想している。「正直なところ、本当に、本当に厳しいだろう。今年のラリーはタフだ。ここ数年よりタフなラリーになることは間違いない。僕たちはいいペースノートを作っていると思うけど、問題がないようにするのは難しい。最初のステージはすでにハードだし、2つ目のステージも道路の補修がされておらず、石が多くて滑りやすい。コンディションはとても難しいものだ!」

 アクロポリス・ラリーのクラーク・オブ・コースを務めるアニタ・パサリスは、イベント開催までの天候の影響により、例年よりも荒れたステージになっていることを認めた。

「今年のルートは例年よりも難しいことは承知している。地域から主催者に提供されたすべての人員と機械類による多大な努力はあったが、ここ数ヶ月の非常に乾燥した天候は、ステージを適切に準備する我々の努力を著しく妨げた。今回、アクロポリス・ラリーは、選手権で最もタフなラリーの1戦という評判を真に示すことができると信じている」