APRC2019/10/29

クスコのヤングがAPRCアジア・カップ王者に

(c)FIA/APRC

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 10月26−27日、中国浙江省で行われた2019年FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)のファイナルラウンドであるチャイナ・ラリー龍遊(ロンユー)で、スバル・ラリーチーム・チャイナのリン・デュエイ(スバルXV)が台湾出身ドライバーとして初めてAPRC総合王者に輝き、クスコレーシングのマイケル・ヤング/マルコム・リード(トヨタC-HR)がAPRCアジア・カップ王者となった。

 APRCは今季から新しい選手権規定がスタート、APRCパシフィック・カップとAPRCアジア・カップのいずれかのシリーズで2戦以上に出場することでグランドファイナルへの出場権が得られ、そこでチャンピオンシップが決定するという新しいフォーマットへと生まれ変わっている。
 
 APRCアジア・カップの第4戦であり、シリーズ最終戦にあたるグランドファイナルのチャイナ・ラリー龍遊には7台がエントリー、クスコレーシングからは、ヤングとともに、大竹直生/竹下紀子(トヨタ・ヴィッツ)、川名 賢/保井隆宏(シトロエンDS3 R3 MAX)の3台が、TRDからは小濱勇希/藤田めぐみ(トヨタ・ヤリス4WD)がエントリー、マツダ・チーム・ニュージーランドからアンドリュー・ホークスウッド/ジェフ・クレス(マツダ2 AP4)とジャック・ホークスウッド/アレックス・パーキン(マツダ2 AP4)がエントリー、そして中国ラリー選手権で実績をもつリン・デュエイ/リー・ケペング(スバルXV)が出場を決めたが、APRCパシフィック・カップの年間王者であるヘイデン・パッドンは予算の問題から早期にファイナルへの参戦プログラムを計画していないことを表明していた。

 チャイナ・ラリー龍遊は、金曜日の午後に行われた1.82kmのスーパーSSでスタートしたあと、土曜日から競技が本格的に始まることになったが、雨によってぬかるんだグラベルとコンクリートがミックスした難しいコンディションのなか、日本から参戦したドライバーにとって試練のスタートとなった。

 小濱はこの日のオープニングSSにおいてコースオフ、またアジア・カップをリードして臨んだヤングもメカニカルトラブルのためマシンストップしたため、龍遊で開催される中国ラリー選手権に10回出場した経験を誇るデュエイが初日を終えてトップに立ち、DS3を駆る川名がマツダ・ニュージーランドの2台のAP4マシンを押さえて2位につけることになった。

 最終日にはますます雨が強くなるなか、デュエイが最終的に5分35秒もの大差をつけて優勝、2輪駆動マシンながら2位を守ってきた川名はアンドリュー・ホークスウッドに抜かれたものの3位でフィニッシュすることになった。

「龍遊で開催されるラリーは非常に難しい。ステージの状況は毎年異なるからね」とデュエイは語った。

「勝利はうれしいよ。これは非常にエキサイティングな出来事だ。スポンサーとチームの皆のためにこのチャンピオンシップを獲得できてとてもうれしいね」

 また、初日にリタイアしたヤングは最終日にリスタート、5つのステージでトップタイムをマークしてレグトップとなり、APRCアジア・カップを制している。