JAPAN2022/06/12

コヴァライネンがモントレー優勝、APRC初戦も制す

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 6月11〜12日に行われたモントレー2022で、チームアイセロのヘイッキ・コヴァライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が全日本ラリー選手権今季4勝目を飾るとともに、併催されたFIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)アジアカップでも優勝を飾っている。

 群馬サファリパークを中心に10SS/125.54kmが設定されたモントレー2022は、梅雨の不安定な天候によるトリッキーなコンディションのなか、初日の朝からトップ争いが期待されたドライバーにトラブルが続出することになった。

 オープニングSSを制してラリーをリードした新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)は、続くSS2で橋の欄干に激しくクラッシュ、リタイアとなってしまった。クルーふたりにケガはなかったものの、マシンのダメージは大きいことから日曜日のリスタートも不可能となり、地元戦で残念な結果となっている。

 このステージでは奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)が駆動系の問題でマシンストップ、鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)もパンク、さらに優勝候補の筆頭だったコヴァライネンもパンクのために1分あまりを失い、新井のリタイアでトップに立った勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)から1分9秒遅れの6位まで後退してしまう。

 しかし、難しい路面コンディションとなったSS3では首位の勝田もコースオフ、代わって首位へと浮上することになった福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)も50秒あまりものリードを築きながらSS5でパンクに見舞われてサバイバル戦の犠牲者の一人となってしまう。

 これでパンクによる大きな遅れをはねかえしたコヴァライネンが首位へと浮上、2位の眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス)に1分21秒差を付けて初日をトップで折り返した。

 小雨が時折降るコンディションとなった最終日もコヴァライネンのペースには揺るぎなく、最終的に2分36秒までリードを広げて全日本で今季4勝目を飾ることになった。また、コヴァライネンは初挑戦となったAPRCでも2位のマイケル・ヤング/エイミー・ハドソン(トヨタC-HR)に5分6.6秒という大差をつけてアジア・カップ優勝を飾っている。

 全日本の2位争いは、最終日にいっそう激しいバトルとなった。眞貝から11秒差の3位で続いていた柳澤宏至/加勢直毅(トヨタGRヤリス)がSS8で素晴らしい速さをみせるベストタイムで0.4秒差まで急接近することになったが、残り2ステージともにリードを広げた眞貝が2位でフィニッシュ、JN-1で初の表彰台を飾っている。

 また、JN-2クラスは中平勝也/島津雅彦(トヨタGT-86 R3)、JN-3クラスは竹内源樹/木村 悟士(スバルBRZ)、JN-4クラスは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5クラスは小濱勇希/橋本美咲(トヨタ・ヤリス)、JN-6クラスは海老原孝敬/蔭山 恵(トヨタ・ヴィッツ)がそれぞれ優勝を飾っている。