WRC2022/11/27

サウジアラビアが来季WRCキャンディデート開催へ

(c)RedBull Content Pool

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 中東でのWRC開催を目指すサウジアラビア・ラリーは、来シーズンにWRCキャンディデートイベントを行い、2024年のWRC初開催を目指すことを明らかにした。

 2023年の12月にシーズンを締めくくるイベントとして、ジェッダを拠点としたサウジアラビアのラリーがWRCカレンダー入りするのではないかという憶測が囁かれてきたが、金曜日に公開された来季のカレンダーには残念ながらそのイベントは含まれてなかった。

 サウジアラビアは2023年のWRCカレンダーの決定が遅れた理由の一つとされてきた。これまでラリーの開催の経験のないイベントをWRCキャンディデートイベントを経ずにWRCとして開催することへの懸念もあるなか、WRCプロモーターは中東イベントのWRC開催実現を目指し、もし開催が実現にいたらなかった場合にACIラリー・モンツァをリザーブイベントとする全14戦のカレンダーを計画していたとも言われている。

 サウジ・モータースポーツ・カンパニーのCEOを務めるマーティン・ウィテカーは、サウジアラビアのWRC開催の実現のためには通常のプロセスに従う必要性があることを協調、2023年にWRCキャンディデートイベントを開催したうえで2024年のWRC開催を目指すと明らかにした。

「サウジアラビアでWRCを開催したいという希望に疑いの余地はない」とウィテカーは語った。「この地域にはラリーの豊かな伝統があり、現在もダカールやエクストリームE、FIAワールドカップのクロスカントリー・バハなどに深くかかわっている」

「それと同時に、我々はFIAが定めた新ラウンド導入のための手続きもよく理解しており、もちろんそれに従うつもりだ。正しい承認が得られれば、そのプロセスの結論として2024年にサウジアラビアでWRCラウンドが開催できることを願っている」

 WRCは2011年のヨルダン・ラリー以来、中東を訪れていないが、この地域でスポーツの最高峰を再び開催することを望む声は絶えない。

「サウジアラビアは人口3,700万人の国だが、国民はWRCの開催を心から望んでいる。この素晴らしい国を世界に紹介できることを楽しみにしている。幸運にもこの数ヶ月、FIAとWRCプロモーターの関係者を招くことができた。彼らがここで目にしたものに満足したことは間違いないだろう」とウィテカーは語った。

「ステージに関しては、3日間にわたってユニークでチャレンジングな競技が展開される。また、インフラストラクチャーに関しても、非常にエキサイティングなアイデアを用意している」

「WRCは世界的な選手権であり、中東ラウンドを開催する機会を得られれば、それはサウジアラビアにとって非常に誇らしいことだ」

 ウィテカーは、1990年半ばにピーター・ジリッツァーの後を継いでヨーロッパ・フォードのモータースポーツ責任者に就任、MスポーツとともにフォードのWRCプログラムを率い、ラリーにも深く関わった経験をもつ。現在はバーレーンでモータースポーツのビジネスコンサルティング会社を経営するかたわら、サウジアラビアのF1グランプリを開催するサウジ・モータースポーツ・カンパニーのCEOを務める。