WRC2020/09/29

サルディニアには64台のマシンがエントリー

(c)Toyota

 10月8-11日に開催される世界ラリー選手権第6戦のラリー・イタリア・サルディニアには、昨年のようにイタリア選手権の一戦としてカウントされなかったものの、64台という大きなエントリーを集めている。

 17回目を迎えるラリー・イタリア・サルディニアの、ある意味ではもっとも注目を集めるエントラントとなるのは、2003年のワールドチャンピオンであるペター・ソルベルグとコドライバーのアンドレアス・ミケルセンが操るシトロエンC3 WRCかもしれない。このC3 WRCには、2021年からピレリがWRCの公式タイヤサプライヤーになることを意味するカーナンバー21が与えられているが、二人がこのマシンが走らせるのは最後のパワーステージのみであり、あくまでも新しいピレリのスコーピオンをファンにお披露目するための走行が目的であり、公式なエントリーではないことに注意しなければならない。

 前戦トルコに続いて無観客での開催となる今季のサルディニアには、マニュファクチャラー選手権をリードするとともにドライバーズ/コドライバーズ選手権の1-2-3をキープするトヨタGAZOOレーシングWRTは4台のヤリスWRCを投入した。トヨタは前戦ラリー・トルコで今季2勝目飾って選手権トップを奪い返したエルフィン・エヴァンス、18ポイント差の選手権2位につけるセバスチャン・オジエ、27ポイント差で3位につけるカッレ・ロヴァンペラの3台をマニュファクチャラーノミネート、そして勝田貴元が4台目のヤリスWRCを駆ってエストニア以来の参戦を果たす。

 ヒュンダイ・モータースポーツもエストニアには4台のヒュンダイi20クーペWRCを投入、ロヴァンペラと並んで27ポイント差の選手権3位にオイット・タナク、32ポイントという大差をつけられているティエリー・ヌーヴィルという二人のエースに加え、昨年の勝者であるダニエル・ソルドをラリー・メキシコ以来となるサードドライバーとして起用している。また、WRC2チャンピオンのピエール-ルイ・ルーベがヒュンダイ2Cコンペティションからエントリーしている。

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは3台のフォード・フィエスタWRCを投入、テーム・スニネンとエサペッカ・ラッピの2人のレギュラーメンバーに加え、ガス・グリーンスミスをマニュファクチャラーノミネートした。

 WRC2選手権(昨年のWRC2プロ選手権)には6台のマシンがエントリー、前戦トルコで選手権リーダーを奪ったTOKスポーツのポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアRally2エボ)、選手権2位につけるPHスポールのマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)、Mスポーツ・フォードからはアドリアン・フォーモー(フォード・フィエスタRally2)がエントリーしている。また、ヒュンダイのWRC2のオフィシャルチームであるヒュンダイ・モータースポーツNからニコライ・グリアジン(ヒュンダイi20 R5)とオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(ヒュンダイi20 R5)で出場する。

 プライベーターのためのWRC3選手権(昨年までのWRC2選手権)には16台のR5/Rally2マシンがエントリーしている。選手権をリードするボリビアのマルコ・ブラシア(シトロエンC3 R5)、12ポイント差の選手権2位につけるヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)、前戦トルコの勝利で選手権3位へ浮上したカイエタン・カイエタノビッチ(シュコダ・ファビアRally2エボ)、そして選手権4位につけるオリヴァー・ソルベルグは開幕戦モンテカルロ以来、シュコダ・ファビアRally2エボのステアリングを握ることになる。

 そのほかにも開幕戦モンテ勝者のエリック・カミリー(シトロエンC3 R5)、ニコラ・シアマン(シトロエンC3 R5)、ヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)、地元イタリアのウンベルト・スカンドラ(ヒュンダイi20 R5)といった強力なメンバーがエントリーリストには名前を連ねている。

 ジュニアWRC選手権には8台のフォード・フィエスタRally4が出場、エストニアでの勝利によって選手権リーダーに浮上したマルティンシュ・セスクス、サミ・パヤリ、トム・クリステンソンらが出場する。なお、ジュニアWRCは当初、サルディニアが最終戦と発表されていたが、イープル・ラリーがWRCカレンダーに追加となったことで、チャンピオンはほかのカテゴリーと同様にベルギーのターマックで決まる予定となっている。