母国のラリー・ラトビアで衝撃の走りで世界中にその存在感を印象づけたマルティンシュ・セスクスは、ふたたびMスポーツのフォード・プーマRally1を駆って9月26〜29日に行われるラリー・チリに出場する可能性があるようだ。
セスクスは、7月のラリー・ポーランドで初めてWRCのトップカテゴリーにデビュー、ノンハイブリッドのプーマRally1にもかかわらず、ワークス勢の最後尾という予想を大きく覆し、一時、2位を走ったあと最終的に5位でフィニッシュしていた。
セスクスはさらに母国ラトビアで初開催されたWRCでセンセーションを巻き起こした。彼は金曜日、トゥクムス・ステージでキャリア初のベストタイムを奪っただけでなく、連日、カッレ・ロヴァンペラ、セバスチャン・オジエ、オイット・タナクといったワールドチャンピオンとポジションを争い、最終ステージで駆動系のトラブルに見舞われなければ3位の表彰台も可能だった。
セスクスのRally1カー参戦は、WRCプロモーター、Mスポーツ、ラリー・ラトビア主催者、そして彼のパーソナルスポンサーのサポートによって実現したが、ポーランドとラトビアの2戦限りのものだった。Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのチーム代表を務めるリチャード・ミルナーも、セスクスがプーマRally1にふたたび戻ってくるための予算は今のところないと認めているものの、その実現をチームも協力したいと前向きに語っていた。
「もちろん、今後はそこに焦点を当てなければならない」とミルナーはラトビアで語っていた。「正直なところ、彼のRally1プログラムを実現するための予算は我々にはないが、またぜひやりたい。彼が再びこのマシンに乗ることができる方法を見つけたい」
セスクスはラリー・ラトビアのあと、ラリー・ディ・ローマ・カピターレでチームMRFタイヤによるヨーロッパ・ラリー選手権のフルタイム・プログラムの再開を予定していたが、チームは彼の参戦をキャンセル、さらに先週のバルム・チェコ・ラリーも2週間後に英国で初開催されるラリー・ケレディギオンへのエントリーも行っていない。
ラリー・チリのエントリーは8月27日に締め切られ、1週間後の9月3日にエントリーリストが公開される予定となっている。