WRC2024/09/29

ソルベルグがパンクで後退、ロッセルが首位へ

(c)RedBull Content Pool

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 ラリー・チリ・ビオビオでのWRC2タイトル獲りに挑むオリヴァー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRS Rally2)のチャレンジは2日目に入り、タイヤのダメージによる2分近い遅れを喫して大きく躓くこととなった。

 トークスポーツ・チームから参戦しているソルベルグとコドライバーのエリオット・エドモンドソンにとってラリー・チリは今季最後のイベントであり、今週末のうちに初のタイトルを決めるには勝利しかない状況だったが、どうやらチャンピオンの行方は次戦以降に持ち越されることが確実となった。

 ソルベルグは初日、Rally1カーの直後に走ったことで、シュコダとは異なる幅のラインに苦しみ、トップのニコライ・グリアジン(シトロエンC3 Rally2)から10.2秒差の2位で土曜日を迎えていた。

 土曜日は朝から逆転タイトルへの野心をみせるヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)が力強い走りを見せて3位からトップに浮上した。しかし、ソルベルグは、グリアジンとロッセルを25.64 kmというラリー最長のマリア・ラス・クルーセスで一気に抜き去って朝のループを首位で終えることになった。

 しかし、ソルベルグは最終の一つ前のステージになって災難に見舞われてしまう。ダメージを負ったタイヤを交換するためにストップを余儀なくされて大きく後退、首位からは1分21.9秒遅れの4位で最終日を迎えることになった。

 ソルベルグは最終ステージでは10.5秒差をつけるトップタイムを記録したとはいえ、明日の41kmという短い最終日に自力で逆転勝利を飾ることはほぼ不可能なタイム差だ。彼は、この日の不運を振り返り、悔しそうに語っている。「週末を通して『トライ』してきたのは今回が初めてで、ありとあらゆる石にぶつかってもパンクすることはなかったんだ。さっきは何が起こったのか分からないけど、ステージ中にスローパンクチャーに見舞われてしまった。なぜに今? なぜなんだ!」

 
 これでグリアジンはWRC2での首位を奪い返してフィニッシュしたかに見えたが、SS11でロッセルがパンクしたソルベルグが巻き上げるダストに視界を阻まれてタイムをロスしたことが認められ、17分42.5秒だった彼のタイムは40秒も救済、17分02.5秒というノーショナルタイムが与えられることになった。

 これでロッセルが首位に立つとともにグリアジンは21.6秒差の2位へと後退、16.8秒差の3位にガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS Rally2)というオーダーで土曜日を終えることになった。

 タイトル候補の一人であるロッセルがこのままチリで優勝することができれば、次戦のセントラル・ヨーロッパ・ラリーの結果次第では自身の王座の可能性を残すことができるが、もしソルベルグが最終日に挽回して2位に入ればロッセルはタイトル争いから脱落することになる。

 いずれにしても今週末、チリでソルベルグのタイトルが決まらなかった場合は、チャンピオンシップの行方は、もう一人のタイトル候補であるサミ・パヤリの最終戦ラリー・ジャパンの結果に委ねられることになる。

 4位のソルベルグの後方では、カイエタン・カイエタノヴィッチ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が5位をキープ、パラグアイ出身のファブリツィオ・ザルディヴァル(シュコダ・ファビアRS Rally2)が終始エンジントラブルと戦いながらも6位に入っている。