トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナクは、先週末のラリーGBからのリタイアは、自身のキャリアにおいて最悪の瞬間だったと語った。
タナクは、土曜日の午後までに2位のセバスチャン・オジエに41秒という大きなリードを開き、WRC4連勝に迫っていたが、SS16スウィート・ラム・ハフレン・ステージのバンピーなセクションでサンプガードが地面にめりこんでマシンから脱落するという信じられないトラブルに見舞われ、あっという間にラジエータを破損してしまいマシンを止めることになった。
ドライバーズ選手権のトップに浮上するチャンスを逃したタナクは、コース脇に崩れ落ちて横たわり、しばらくその場を動くことができなかった。
タナクは日曜日に再出走し、パワーステージで4ポイントを獲得したが、優勝を飾ったオジエに抜かれて、ドライバーズ選手権で3位に後退することになった。あと2つのイベントを残して、選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィルとの差は21ポイントとなっている。
「僕の人生で過去最悪の気分だった」とタナクは語った。「それが僕のライバルであろうと、もう誰にもこんな気分は味わって欲しくない」
「リタイアしたあと最終日にできることは限られていたが、パワーステージでボーナスポイントを獲得することができた。チャンピオンシップにとっては厳しくなったが、チャンスはまだ残っているので、プッシュし続けるつもりだ」
トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチーム代表のトミ・マキネンは、タナクの気持ちに理解を示した。
「とても残念だ。オイットにとってこれは非常につらい。彼はとても良いドライブをしていたのに、この仕打ちはフェアではないように思える。これによって彼がチャンピオンシップを失うとすれば、それは本当に高い代償になるが、彼は選手権で最強のドライバーなのでチャンスは十分にあると思っている」
マキネンは、タナクのヤリスに発生した問題を調査することを約束し、今季に残されたグラベルのステージでは地面からのインパクトを防ぐために追加のプロテクションを導入する可能性があると語った。