WRC2019/06/17

タナク、スタートしてすぐステアリングに違和感

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのオイット・タナクは、ラリー・イタリア・サルディニアの最終ステージでパワーステアリングのトラブルに見舞われて3戦連続での勝利を奪われることになった。

 タナクは、信じられないほどダスティでタフなサルディニアのステージで初日2番手というスタートポジションだったにもかかわらず2位につけるや、土曜日にはすべてのステージを制して25.9秒という大差をリードして最終日をスタートすることになった。

 だが、過酷な週末を乗り切り、勝利が目前に迫ったかに見えた最終ステージでパワーステアリングに問題が発生する。タナクは重くなり始めたステアリングと格闘したが、じょじょに症状は悪化、コースオフしかかりながらもどうにかゴールを迎えることになったが、2分12秒をロスしてしまい、5位に順位を落とすことになってしまった。

 ステージエンドにたどりついたタナクは悲劇に打ちのめされて言葉を発することができないほどのショック状態だったが、チームのリリースを通じて、当時の状況を説明している。

「最終ステージをスタートしてすぐステアリングに違和感を覚え、動きが硬くなる感じがした。そして走っている最中に固まり、ステアリング操作が難しくなった。それでも何とか走り続けたが、大きくタイムを失い勝利も逃すことになった。とてもがっかりだが、悲しい気持ちはチームのメンバーと変わりはない。全員がこのイベントのために努力をしていたので、このような結果になってしまったのは本当に残念だよ」とタナクは語っている。

 それでもタナクは、ドライバーズ選手権ではセバスチャン・オジエを4ポイント差で抜いてトップに立ったことをポジティブに受けとめており、夏休みのあとの後半戦ではふたたび選手権争いに挑むことを誓っている。

「ここまでタフなシーズンが続いてきたが、昨年のこの時期と比べると選手権争いに関してはずっと良いポジションにつけている。この後は少しだけラリーから離れて休みをとり、そしてまた戦いの世界に戻る。チームは必ず問題を解決してくれると確信しているし、これからも戦い続けるつもりだ」

 タナクに発生したパワーステアリングの問題は、金曜日にトップに立ったヤリ-マティ・ラトバラをリタイアに追い込んだ問題とまったく同じものだ。三日間にわたるタフな戦いで発生しなかったトラブルが残り6kmで首位のタナクに発生したことは悲劇としか言えないが、チーム代表のトミ・マキネンは原因の早期究明と解決を誓っている。

「今日はチームにとって、もっとも厳しい1日になった。ラリーウィークを通してクルマにはパフォーマンスと信頼性があったが、悲しいことに最後のステージで問題が起きてしまった。もちろん、何が原因なのか現在調査を進めている。チームにとっては本当に残念な結果だが、我々以上にオィットとマルティンは大きな失望を味わったはずだ。彼らは選手権のトップに立ちはしたが、本当ならば3連勝でさらに良い夏休みを過ごせたはずだ。数日は気持ちが晴れないかもしれないが、我々は必ず復活してみせる」