WRC2019/12/09

タナク「来季も王座のために戦うことができる」

(c)FIA

 12月7日にパリで行われたFIA表彰式で、初めてワールドラリーチャンピオン・トロフィーを手にしたオイット・タナクは、ヒュンダイ・モータースポーツで臨む2020年もこのトロフィーを守るために戦うことができると語った。

 タナクは先週木曜日に初めてヒュンダイi20クーペWRCでのテストを行い、すでに新シーズンにむけて始動している。タナクは、FIAガーラで行われたインタビューのなかで、新チームでの最初のテストですでにマシンに素晴らしい手応えがあったと語った。

「チャンピオンとしてトロフィーを手にできる日を長い間目標にしてきて、実際にそれを達成したのでなんというかホッとした気持ちでいる。当初、それは夢だったし、過去数年間、僕たちはすぐそばまで近づいたが、様々な理由で勝者になることができなかった。ようやくそれを達成できたわけだからね。簡単な旅ではなかった。文字通り、水の中、火の中を通り抜けてきたけど、そのようなすべての戦いの後にタイトルを獲得することをいっそう良い気分だ」

 タナクは、新シーズン、ふたたびタイトルを獲得できるかどうかを聞かれ、チャンピオンシップを争うために必要なすべてのツールを手に入れられると信じていると語った。

「ヒュンダイは(今年)マニュファクチャラーのチャンピオンを獲得したので、僕が来年、良い場所にいることは間違いない」とタナクは語った。

「チームを変わることは決して簡単ではない。落ち着くまで時間がかかるが、僕はチャンピオンシップを争うために必要なすべてのツールを手に入れられると信じている。来年の目標は間違いなくそれを競うことだ」

 ヒュンダイで快適に感じられるかどうかを尋ねられたタナクは、「すでに感じた!」と答えた。

 チャンピオンを獲得したにもかかわらずトヨタを離れるに至った理由について、ヒュンダイ・チーム代表のアンドレア・アダモと自身が良い関係であると感じ、将来的にヒュンダイのほうがさらにタイトルを獲得できるチャンスが大きいと感じたためだと説明した。

「チームを離れることは決して簡単ではない。特に(トヨタのような)素晴らしいマシンを持つチームとはね。それは素晴らしい2年間であり、マシンは改善を続け、パフォーマンスもある。それに関して疑いの余地はない」

「もちろん、その場に留まることの方が常に簡単だが、まだ僕にはプッシュし続けるモチベーションがたくさんあると感じていた。1つのタイトルで立ち止まることはできない。僕はもっと多くのタイトルが欲しい」

「僕は1年を通してアンドレア・アダモと連絡を取り合った。彼は僕と同じくらいプッシュすることが好きな性格のようだ。だから僕たちは良い組み合わせだと思うし、チームはチャンピオンシップのために全力を尽くして戦うモチベーションに満ちていると思う。そして、これからもチャンピオンシップのために戦うならば、このチーム(ヒュンダイ)に入るべきだと考えた」

 タナクはトヨタとは交渉が決裂したものの、そこには遺恨のようなものはないと語った。

「(トヨタとの)交渉は長く、長い間行き詰っていた。(お互いに)悪い感情はなかったと思う。僕たちは来年も競うが、今度はお互いに競い合う」