WRC2023/01/31

デルクール、来年のモンテではRally1参戦を熱望

(c)RedBull Content Pool

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 世界ラリー選手権の伝説的存在であるフランソワ・デルクールは、ラリー・モンテカルロでWRC2マスターズカップを制した後、次はRally1カーのステアリングを握りたいと決意を固くした。

 デルクールは、過去にWRCのトップカテゴリーで4つのイベントを勝利し、1993年には選手権2位を獲得している。フォードやプジョーのファクトリーチームで過ごしたあと、彼は、三菱のファクトリードライバーとして2002年に最後のフルタイムシーズンに挑んだが、それ以降も様々なマシンを操り活躍している。

 今月初旬には、自身24回目となるラリー・モンテカルロでシュコダ・ファビアRS Rally2を駆り、WRC2マスターズカップで優勝し、WRC2でも総合10位に入賞した。

 デルクールによると、彼はモナコを舞台にしたこのラリーに、もう少しでMスポーツ・フォードのプーマRally1マシンで参戦できるはずだったが、マシンのストックがなかったため、トップカテゴリー復帰の望みは先延ばしとなったという。しかし、彼は来年こそ、この望みをかなえることができると確信している。

「来年はRally1カーでモンテカルロを走れるように頑張るよ」と、デルクールはWRC.comに自信たっぷりに語った。「今年はもう少しで実現しそうだったが、最後の最後でMスポーツのオーナーであるマルコム(・ウィルソン)から『フランソワ、車がないんだ、本当に申し訳ない』と言われたんだ」

「まだ僕にスピードがあるかどうか、比較するのはとても面白かっただろう。僕には応援してくれるサポーターや友達がいて、予算もあったんだ」

 来年のモンテカルロでMスポーツのプーマRally1を駆るデルクールを見る前に、今年のWRC2選手権で彼の姿を見ることができるかもしれない。

「クロアチアやポルトガルのような場所で、あと4、5戦は(WRC2の)イベントに参戦するかもしれない。だがフィンランドはやらない。それは完全にクレイジーだからね」と彼は皮肉った。

「それは可能だと思うが、今の僕の問題は、頻繁にマシンが変わることだ。ポルシェで行って、アルピーヌで行って、今度はこれ。時々、コーナーに差し掛かった時に、ハンドブレーキがどこにあるのかわからなくなるんだ。本当だよ!」

「彼らは常に同じクルマ、同じクラスで走っている。WRC2のペースは信じられないほど速い。トップ勢のスピードがこれほど速いとは思っていなかったが、彼らは本当に、本当にハードにプッシュしているんだ。もっと時間があれば、いくつかのステージでは同じペースで走れるかもしれないが、ラリー全体では無理だろう」

 シートタイムがデルクールの足を引っ張っているかもしれないが、体力の衰えは感じさせない。モンテカルロの前の週、彼はプレテストのために60キロの距離を自転車で往復した。

「そのくらい何でもない」とデルクールは笑顔を見せた。「普段は1週間に400キロ、1年で1万5千キロは自転車で走っている。モンテカルロを終えた今も疲れはなく、今すぐにあと100キロ走ったところで全然平気だ」